2009年 8月 31日 (月)

       

■ 〈衆院選〉選択は「政権交代」 本県でも民主が4小選挙区を全制覇

 第45回衆院選は30日、投開票が行われた。与党には逆風、追い風が民主に集中する中、岩手では4小選挙区で民主候補が当選し全県制覇した。5人で争われた1区は2年前の補選で初当選した民主前職の階猛氏(42)が他を圧倒して再選。県内最大の注目を集めた2区は4年前の雪辱を期した民主新人の畑浩治氏(45)が初当選。「史上最強の布陣による史上最大の作戦」で、7選を狙った自民前職の鈴木俊一氏(56)の堅い地盤を切り崩した。3区は民主前職の黄川田徹氏(55)が4回目の当選を、4区は民主前職の小沢一郎氏(67)が連続14選を、それぞれ大差を付けて果たした。比例でも民主が票を集め、自民は4年前から減票した。総選挙は4年ぶりとなり「政権選択」がキーワードとなった。国民は格差拡大と景気後退、社会保障問題などから与党に対する不満を募らせ、政権交代による現状打開を期待した。

  【 岩手1区 】

     
  再選を果たし、バンザイ三唱で喜びをかみしめる階猛氏(中央)。右は美和子夫人、左は佐々木博選対本部長  
 
再選を果たし、バンザイ三唱で喜びをかみしめる階猛氏(中央)。右は美和子夫人、左は佐々木博選対本部長
 
  岩手1区は民主前職の階猛氏(42)が11万6425票を獲得し、他候補に大差を付けて再選した。自民新人の高橋比奈子氏(51)は5万585票で1996年の小選挙区導入以来の失地回復を果たせなかった。社民新人の伊沢昌弘氏(62)は減票を余儀なくされ、共産新人の吉田恭子氏(28)は政権交代や2大政党制の流れに苦戦するも過去の国政選挙より票を伸ばした。幸福新人の森憲作氏(52)は振るわなかった。

  階氏は達増知事の知事選転出に伴う07年7月の補選で初挑戦し、自民候補に倍差を付けて初当選。平日は国会で、土・休日は選挙区へ戻って活動。土・休日は人通りの少ない路地に入り込み、国政報告や政権交代の必要性を説いて回った。

  達増知事の地盤や支持層を引き継ぐと同時に盛岡市太田、仙北、繋、浅岸地区に自ら後援会支部を立ち上げた。昨年秋に解散風が流れると、支持が加速。これまで弱いとされてきた紫波町の農村からも一定の支持を集めた。

  補選と違い本県選出の党参議院議員の力を借りず無党派層や自民支持層にも食い込んだ。終わってみれば、追い風も受け補選の得票を上回り圧勝した。

  高橋氏は昨年9月に擁立された。市議・県議の活動実績で得た支持層、新規の掘り起こしを連動し、失地回復をうかがった。

  しかし、政権交代ムードの中で苦戦。本県から60年ぶりの女性国会議員誕生を訴え、階氏に対抗して地元密着型の候補を強調するも伸び悩んだ。党の県議や自民系市町議が運動したが、自民支持層も固めきれなかった。党としては小選挙区導入後、2番目に低い得票に終わった。

  伊沢氏は昨年2月の擁立から1年半、党の必要性を訴えてきたが政権交代の中で埋没。民主に支持層の一部が流れ、最終盤に巻き返しを図ったが4年前の得票を割り込んだ。

  吉田氏は昨年9月に党1区の顔に。「共産が伸びれば結果的に自民を利する」との風聞に苦しみながらも女性、若さを背景に「建設的野党」を訴え、前回補選よりも票を獲得した。

  森氏は党の政策を有権者に訴えたが、支持拡大に至らなかった。

  【 岩手2区 】

     
  当選を祝して信子夫人(右)や工藤県連代表(左)と万歳三唱する畑浩治氏  
 
当選を祝して信子夫人(右)や工藤県連代表(左)と万歳三唱する畑浩治氏
 
  岩手2区は民主党新人の畑浩治氏(45)が11万5080票を獲得し、同党としても念願の議席を奪取した。政権交代の旗印の下で全国的な追い風も受けて優位に選挙戦を展開。最重点地区との位置付けで党県連も県選出の参院議員4人を2区専従にする強力布陣で臨み、小選挙区全県制覇を成し遂げた。

  「まだ政治の世界に入ったばかりで知名度もなく時間もなかった」という前回選挙から4年間、各地域を何巡もして知名度の浸透を図った。解散前から街頭などで直接政策を訴える機会も増やした。公示後も各地域を細かく回り、終盤以降は街頭演説を集中して行うなど徹底した戦術が功を奏した。

  盛岡市に隣接する地域では地元色の強い1区候補者の階猛氏とともにあいさつ回りを行うなど、新たな支持者の取り込みも図った。連合岩手や社民党2区支部連合などの支持も受け、民主党支持者以外からの支持も広げた。

  自民党前職の鈴木俊一氏(56)は9万4566票だった。県内選挙区唯一の自民党議席を死守することができなかった。郵政民営化を争点とした前回から一転して今回は逆風の中での厳しい選挙。自身も「大変に厳しい戦いとの認識を支持者と共有できている」と総力を挙げての選挙戦に臨んだ。

  選挙戦では6期19年間の実績と父・善幸氏譲りの温厚な人柄などを訴え、支持固めを図った。敦子夫人による個人演説会、長男俊太郎さんもマイクを握るなど前回同様に家族ぐるみで臨んだ。鈴木氏自身も地盤とする宮古・下閉伊地区のほか、畑氏の地元久慈市などでも初当選以来となる丹念な地域回りを行い、懸命に支持を訴えてきた。

  農業分野にしぼって3市町村で独自の勉強会を開催するなど、農業政策での民主党との違いを強調した戦いも展開した。一方、この4年間で区内の勢力図も大きく変わり、民主党の波を最後まで止めることはできなかった。

  幸福実現新人の工藤哲子氏(46)は立候補表明以来、街頭などから知名度の浸透を図ってきた。公示後も各地域に選車を走らせて、党の政策を懸命に訴えてきた。一方、党自体が初の国政選挙ということもあり、大きな支持の広がりまでには至らなかった。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします