2009年 10月 7日 (水)

       

■ 長編詩がジオラマに 「賢治と歩く小岩井農場展」開幕

     
  「小岩井農場賢治歩行マップ・ジオラマ」(宮沢賢治イーハトーブ館所蔵)  
 
「小岩井農場賢治歩行マップ・ジオラマ」
(宮沢賢治イーハトーブ館所蔵)
 
  「賢治と歩く小岩井農場展〜すみやかに広がる草の原に」(盛岡市、盛岡観光コンベンション協会主催)が6日、盛岡市中ノ橋通のもりおか啄木・賢治青春館で開幕した。同詩の全文に、吉田矩彦さん(賢治の会会員)が撮り下ろした写真を組み合わせたパネル21点を展示。直筆原稿の複製(宮沢賢治記念館所蔵)と歩行マップ、ジオラマ(宮沢賢治イーハトーブ館所蔵)などを合わせて67点が展示されている。

  同詩は宮沢賢治の詩集「春と修羅」に掲載されたもので、591行からなる長編詩。賢治が1922年(大正11年)5月21日に小岩井農場を訪れたときの歩行体験を心象スケッチの手法でつづったもの。「パート一」から「パート九」まであるが5、6、8が除かれているため全6パートになっている。

     
  賢治が歩いたころの小岩井農場の写真(小岩井農牧提供)  
 
賢治が歩いたころの小岩井農場の写真
(小岩井農牧提供)
 
  「パート一」は「わたくしはずゐぶんすばやく汽車からおりた/そのために雲がぎらつとひかつたくらゐだ」で始まる。賢治が「つつましく肩をすぼめた停車場」「つめたくあかるい待合室」とつづった小岩井駅の外観が、現在の写真で紹介されている。

  「パート四」に登場するのが「本部の気取った建物」と記された農場本部。1903年に建てられた後、増改築はあったがほぼ原型をとどめている。青空の下にたたずむ現在の写真をパネルに収めた。

  「賢治歩行マップ」では賢治が詩の中で歩いた道筋を平面で紹介。「同ジオラマ」(約80a×400a)では岩手山を頂点にして小岩井駅までなだらかに下る地形が立体的に表現されている。

  作中に登場する花や鳥の写真は吉田さんのほか、佐藤嘉宏さん(一関市)と阿出川栄次さん(千葉県)が撮影。賢治が歩いたころの小岩井農場の写真は小岩井農牧が提供。種まきの風景やトロ馬車など、当時を知るよすがとなる貴重な資料だ。

  会場を訪れた高橋章浩さん(盛岡市)は「古いものから新しいものまで資料が網羅され、まとまっていて素晴らしい。ジオラマでは全貌(ぜんぼう)がよく分かるし、平面と立体で賢治の詩を理解するのに役立った」と話していた。
  12月13日まで。午前10時から午後6時(入館は同5時半)まで。第2火曜休館。入場無料。

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします