2009年 10月 29日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉281 岩橋淳 ふくろのなかになにがある?

     
   
     
  ハンガリーで生まれたポール・ガルドン(1914〜86)は、14歳でアメリカに移住し、苦学をして絵本作家になり名をなした人。300を超える作品の中には昔話の再話も数多くありますが、本作もそのひとつ。

  ハチを捕まえたキツネが、それを入れた袋を担いで、一軒の家の門口に立ちます。そこのおばさんに向かってキツネのいわく、「おばさん ふくろを あずかって」。気易く請け合うおばさんに、ここでキツネは仕掛けます。「なかを ぜったい のぞくなよ!」
  この一言を以ておばさんに袋の中をのぞかせること、キツネはちゃんと計算ずみ。ハチは袋を飛びだして、庭のニワトリがパクリ。……やがて戻ってきたキツネは、代償として件のニワトリをせしめて、次なる家へ。同じ手法でニワトリがブタに、ブタが男の子にと、わらしべ長者と言うには、いささか強引、計画的。さて、キツネの目的は? そして、そのハカリゴトは、果たして成就するのでしょうか?

  キツネが訪ねるのは、その家の(人のいい)おばさん相手だけあって、決まって勝手口から。それが、アメリカ? の農家の暮らしぶりをとてもよく描くことにつながっていて、みどころにもなっています。……それにしても、キツネが袋を見ず知らずの戸口に預けてまで出かけて行くとされる「スキンタムどん」って、誰?

 【今週の絵本】『ふくろの なかには なにがある?』P・ガルドン/再話・絵、こだまともこ/訳、ほるぷ出版/刊、1470円(税込み)(1982年)


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