2009年 12月 1日 (火)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉84 及川彩子 自転車王国イタリア

     
   
     
  つい先日も、ここアジアゴ高原の町を自転車の大集団が駆け抜けて行きました(写真)。イタリア人の自転車好きは、国技ともいえるサッカーに劣りません。

  イタリアは、フェラーリに代表される車社会。新幹線のような高速交通機関が少なく、主流は高速道を突っ走る自家用車です。

  高速道料金は2時間走って3ユーロほど(500円)。北イタリアの我が家からローマまで5時間、オーストリア国境まで3時間、ドイツのミュンヘンまで5時間。どこへ行くにも、みんな平気で車を飛ばします。

  街中でも、道路脇には縦列駐車がずらり。日本のように自転車専用ラインがないので、自転車に乗る人の姿は、あまり見かけません。

  でも、郊外に出ると事情は一変。特に交通量の少ない日曜日、突然、渋滞に遭うことも珍しくありません。パトカーの指示で路肩に車を寄せ、10分も待っていると、自転車集団が、風を切るように駆け抜けて行きます。

  世界中から選手が集まるツール・ド・フランス、ジロ・デル・イタリア(イタリア一周選手権)などの競技会は有名ですが、そればかりではなく、自転車愛好会が各地にあり、アマチュア間で、ツーリング会が頻繁に催されているのです。

  各町には自転車工場があり、一味違った自転車職人がいると聞きました。注文を受けると客の体重から手足の長さなどを調べ、体の特徴に合う自転車を作り上げるのです。

  風を友に、町や野山を駆けるツーリング。品質世界一と言われるイタリア製の皮のサドルで、身体に無理のない乗り心地を目指す職人たちが、その魅力を支えているのです。

  標高1千bのアジアゴ高原には、連続10カ所のヘアピンカーブがあり、これを上り下りしなければなりません。格好の練習コースとして知られるこの坂道で、スマートな自転車たちに出会えるのも、本格的な冬を迎えるまでの、あとわずかです。

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