2009年 12月 4日 (金)

       

■ 〈尚子さんといっしょ〉13 高橋龍児 料理が得意な理由

 妻の尚子さんの実家の近くに抱き返りという有名な滝がある。抱き合って滝をふり返り見ればいっしょになれると言い伝えられているが、そのせいか今でも一緒に居る。その近くに夏瀬温泉という前は小さな宿があり、義母と義姉二人と尚子さんを乗っけてRV車を走らせたことがある。

  5月の連休明けなので雪もない。もう営業しているだろうと思ったがまだ閉まっていた。4人ともタオル持って行ったので残念がったが、そこは天然温泉である。露天風呂には湯がこんこんとわいている。

  何を思ったのか義母が「せっかく来たんだから入っていこう」と服を脱ぎだした。誰が見ているわけでもない。続いてわたしと上の姉がハダカになった。さすがに尚子さんと下の姉は入らず見はりに立った。五色に流れる川を見ながら入る露天風呂は最高。上の姉の豊満な入浴ヌード写真が残っている。帰るとわたしがスパゲティーナポリタンを作って仲良く昼食となった。

  スパゲティーといえば東京でも盛岡でも尚子さんは看護師仲間を家へ呼んでパーティーを開いた。わたしがもちろん料理長。ナビスコのカナッペから始まって刺身や焼き鳥なんかを出す。女たちのビールと食欲は止まることを知らない。

  「料理がうまいダンナで良かったね」なんておだてる。もちろん尚子さんは一切手伝わない。シメはスパゲティーか焼ソバで、女たちのすさまじい宴会は終わりとなる。

  こうなってしまったきっかけは結婚前に尚子さんが初めてわたしにカレーライスを作ってくれたことに起因する。それは水っぽくてあまりうまくなかったので「これはまずい!」と言ったのが悪かった。それ以来、尚子さんは今日まで焼き魚とおひたししか作らなくなってしまった。そのせいかわたしの料理のレパートリーは和・洋・中と広がっていき、酢豚なんかはものの15分もあればできてしまう。

  立ち飲み屋さんの若奥さんにもレシピを教えてもらったり、珍しい食材や香辛料を分けてもらったりする。

  この前、東山堂にアエラムックの「筑紫哲也」と香山リカの「しがみつかない生き方」を注文したと若奥さんに話したら大笑いして「あんたは尚子さんにしがみついてるからピッタリよ!」と言われた。

  長男が大阪にけっこう広いマンション買ったので次男といっしょに遊びに来いとしきりにさそう。でも今年は沖縄や大阪、島根や東京へも2泊し、屋根のペンキも塗り変えたので、そんな経済的余裕はないし、まだテレビもアナログなので断っている。

  尚子さんの一番の悩みはわたしが朝3時に起きて顔洗ったり金魚のポチの水を取りかえに向かいの井戸へ行ったり、新聞を買いに走ったりとバタバタすることだ。したがって依然として寝室は別々のままだし、一緒にどこかに泊まるのはゴメンだと言われている。

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