2009年 12月 10日 (木)

       

■ 政府方針に県議会反旗 高速無料化・窓口一本化の撤回求め意見書

 12月定例会最終日の9日の県議会で自民クラブが提出した議員発議案「高速道路原則無料化の撤回を求める意見書」と「国として直接地方の声を聞く仕組みを保障することを求める意見書」(陳情・要望窓口)が賛成多数で可決された。自民党が強い地域ではなく、民主党王国とも呼ばれる岩手での出来事。県議会第1会派の民主党は反対したが、連立政権を組む社民党が所属する政和・社民クラブも賛成し、総理関係大臣、衆参議長に意見書が出されることになった。

  高速道路無料化は先の総選挙における民主党マニフェストの目玉政策の一つ。意見書では、無料化は公共交通事業者の経営悪化を招く恐れ、地域の公共交通を利用する交通弱者への不利益、政府の温室効果ガス削減方針との矛盾、世論調査における反対などから、方針撤回を要望する内容。

  直接地方の声を聞く仕組みの保障は、民主党が地方や団体からの国・政府への要望の窓口を幹事長室に一元化したシステムへの反発、対抗措置と受け止められる。

  地方公共団体から国に地方の声が届くのかと不安や危惧(きぐ)の声が多く上がり行政への窓口を閉ざすことは憲法で保障する国民の請願権を侵害することにもつながりかねないと主張し「国においては、行政府として直接地方の声に耳を傾け、しっかりと受け止める適切な仕組みを保障するよう強く要望する」というのが趣旨だ。

  本会議では自民クラブの小野寺有一氏が2発議案の提案理由を説明。これに対し、高速道では高橋昌造氏(民主)が反対の討論、飯沢匡氏(政和・社民)と斉藤信氏(共産)が賛成の討論をし、採決では民主と阿部富雄氏(無所属)を除く議員の賛成多数で可決した。

  陳情・要望窓口では、工藤大輔氏(民主)が地域主権推進の改革の一つ、脱官僚型‖政治主導の確立、国民本位の政治の実現などから時代にふさわしい要望・陳情ルールだなどと反対討論したが、民主を除く賛成多数で可決した。

  自民クラブ代表の千葉伝氏は「高速道の無料化は国民の半数以上が反対しており、県議会の意思として通ったことを民主党としても踏まえてほしい」と、方針撤回を求める。

  要望・陳情に関しても「逆に中央集権に近いような窓口一本化で、地方の声が届かないという部分も包含している。そこを必ず通さなければ話を聞かない、特に首長の立場の人が政治的なところの窓口を使うのはいかがなものか。一本化して政治主導とするやり方に疑問を感じる」と唱え、多様な要望チャンネルの保障を求めている。

  民主党の会派代表の佐々木順一氏は「可決されたのは極めて残念。陳情システムについては見解の相違だと思う。本来、議会の審議、意見書になじまないものだが、出た限りは対応しなければならなかった。民主党が決めた方針であり、本来は主体である党に要請すべき。意見書を総理ほか関係大臣に、議決を経て出すべきものかと疑問に思う」と手段を批判する。

  討論した同党県連政調会長の工藤氏は「首長が政府に対して物言える仕組みじゃないと危惧しているが、そのようなことがないように、われわれが真摯(しんし)に取り組んで地域の声を届け政策実現に向けてやっていくんだという姿を見せ、これから判断してほしい」と、システムの運用姿勢を説明し理解を求めている。

  社民党議員も協調したことに対しては「システムは民主党の方針。社民党も国民新党も原点は政党であり、それぞれの党内で決めるべき問題で強制はできない」と受け止めている。

  高速道に関して、佐々木氏は「今のところ政府内でも制度設計まで至っていない。指摘される交通混雑や二酸化炭素排出などについて十分に国民からの理解を得ていない結果が世論調査に出ていると思う。党マニフェストの重要事項であり、いろんなやり方を考えながら、実行に移す方針であり、議会では残念な結果になったが、今後、われわれは国民、県民の理解を得る努力をしていかなければならない」と話している。 

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