2009年 12月 13日 (日)

       

■ 落ち込む住宅着工、9ヶ月連続で前年割れ 背景に雇用不安や資金難

 県内の住宅着工戸数が9カ月連続前年割れを続けている。県がまとめた10月の着工戸数は419戸、対前年同月比63・1%で、10カ月連続で500戸台を割った。年度累計では3110戸で、前年同期の3分の2にとどまっている。昨年来の雇用不安により市場のマインドが冷え込み、所得の頭打ちで住宅資金の調達が困難になっていることによる。全県の戸数が落ち込む中、滝沢村だけは伸びており、一部の宅地開発が底上げした。

  10月までの年度累計を市町村別に見ると盛岡市894戸(前年同期比59・2%)、八幡平市63戸(同81・8%)、紫波町84戸(同58・3%)、矢巾町は同69戸(同51・1%)、雫石町30戸(同81・1%)。滝沢村225戸(同131・6%)で、県内のほとんどの市町村が落ち込む中で唯一、前年を大きく上回った。牧野林の団地造成や室小路、狐洞の区画整理などにより、不動産取引が活発化した。

  10月の数字を利用関係別で見ると、持ち家242戸で前年比82・6%、貸家が99戸で同40・1%、分譲が18戸で同14・8%。持ち家は8カ月、貸家は9カ月、分譲は7カ月連続でそれぞれ前年同月を下回った。構造別には木造が303戸で60・8%、非木造116戸で69・9%、木造は13カ月連続、非木造は6カ月連続で前年同月を下回った。

  建て方別には一戸建て284戸、長屋建て40戸、共同建て95戸。建築主別では公共(市町村)7戸、民間412戸(会社91戸、個人321戸)。新設住宅の床面積合計は4万4299平方bで、構造別では木造3万4966平方b、非木造9333平方b(鉄骨4247平方b、その他4345平方b)。

  住宅着工戸数の落ち込みについて盛岡市の東北不動産管理サービスの八幡義宣社長は「全体的には不景気による。今は貸し手と言っても借りられない。例えば土地700万円から800万円、建物2千万円で3千万円近いローンをどれだけの人が組めるかと言えば、岩手県内の30代から40代の年収300万円から400万円では難しい」と話し、経済の低迷による所得の伸び悩みを要因に挙げる。

  盛岡市のコンサルタント会社のアスクの浅井敏博社長は「住宅ローン返済が困難になって売却や不動産競売が非常に増えているという。これまでは収入が増加していく幻想があり、それに基づくステップ償還のローンの返済制度だった。ボーナス時払いの組み合わせでローンを組んでいる人は、給料カットになったり、ボーナスが出ないとローン返済が滞り、大変な思いをしている」と話し、昨年来の労働不安を指摘する。

  「政権交代により日本経済がどうなるのか、自分の雇用の安定性はどうなるのか不安心理があり、住宅を取得する気分になれないのではないか。民主党は今までニュータウンを含めて住宅ストックが相当あり、世帯数を超えているほどという。その活用も視野に入れて今後の新規の住宅と中古住宅の流通や、リフォームと両方でとらえるべきではないか。新設住宅着工戸数だけでやってきたビジネスが今まで通り行かなくなってきているのでは」とみている。

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