2010年 1月 3日 (日)

       

■ 〈早池峰の12カ月〉26 丸山暁 お天道様はついてく

     
  photo  
     
  まずは、あけましておめでとうございます。まだ見ぬ皆様方、多少なりともこのコラムを楽しんでいただいている方々がありましたら、謹んで新年のごあいさつを申し上げます。

  さて、そんな正月にふさわしい話題を探していたある朝、明るくなってきたほんの一瞬、東の空が暁(あかつき)に輝いた。その時、2010年の1発目はこれだとひらめいた。

  僕はとにかく太陽が大好きなのである。まず、名前が暁(さとる)、ニックネームがサンちゃん、絵を描く時のサインはS Sun.である。名前だけでも太陽の申し子と言える。

  何故僕の名前が暁になったかには逸話がある。母が僕を出産する時、「真っ暗なトンネルの奥に輝く金の卵」の夢を見た。それで出産後、「闇の中…あかつき(暁)のなんとかかんとか」という句を読んで、僕の名前は暁となり、「さとる」と読ませたそうだ。

  その句を何度か聞いたことがあったが、今は忘れてしまった。いずれあの世で聞いてみよう。

  名前のせいか、僕は子供の頃から太陽が好きになり、挑戦し続けていることがある。それは無謀な戦いだが太陽とのにらめっこである。

  もの心ついた、幼稚園か小学生の頃から何度も何度も太陽に挑んできた。まず、太陽に背を向け両目を閉じて、振り向きざまに両目を開き太陽を睨みつけようとするのだが、太陽が目に入った途端、目をつぶるしかない。この挑戦は、これまで連戦連敗である。

  愚かな奴とお思いでしょうが、大人になった今でも、負けると分かっていても、輝く太陽を見ると、たまにやってしまう。馬鹿な男である。

  僕の左目の視力は中学の頃から極端に衰え、眼鏡をかけても視力が0.1以上でなくなってしまった。その原因は、この太陽とのにらめっこにあるのではないかと考えている。

  まるで、太陽に近づきすぎて海に落ちたギリシャ神話のイカルス(牢獄から抜け出すために、鳥の羽を蝋(ろう)で固めて飛び立った)と同じである。良い子はもちろん悪い子であっても、そしてたとえ大人であっても、これは絶対まねをしてはいけません。

  そんな太陽への憧れ、挑戦を絵本にした『飛んでけサンちゃん』を出版社に持ち込んだりコンテストに応募しているのだが、いまだサンちゃんは飛び立てないでいる。夢は見続ければかなうもの。いつの日か、太陽に向かって立つ時もあるだろう。

  僕は暁と言う字も読みも大好きなのだが、ひとつ気になるのが、「あかつき」とは日の出前の輝きである。まあ、それでも、誰にでも、どこでもお天道様はついてくる。

  (丸山暁建築・空間工房、大迫・外川目在住)

本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします