2010年 1月 29日 (金)

       

■ 宇宙の声聞こえた 小中高生11人、ISS野口さんと交信

     
  国際宇宙ステーションの野口聡一さんと無線交信するボーイスカウトの団員  
 
国際宇宙ステーションの野口聡一さんと無線交信する
ボーイスカウトの団員
 
  アマチュア無線を通して子供たちが宇宙と交信するARISSスクールコンタクト(アマチュア無線盛岡クラブ主催)が28日、盛岡市内で開かれた。県内初の試みにはボーイスカウト盛岡5団に所属する小中高生11人が参加。はるか宇宙空間を飛ぶ国際宇宙ステーション滞在中の宇宙飛行士、野口聡一さんとの交信に成功した。

  会場の市子ども科学館にはボーイスカウトや保護者、無線クラブの会員ら約100人が集合。スクリーンに映し出された軌道上のステーションが近づくのを見ながら、交信開始時刻を待った。午後3時50分、時速3万`で飛行するステーションに向かって盛岡から無線で呼びかけを開始した。

  最初は雑音ばかりだったが、その中にわずかに野口さんの呼び掛ける声が交じる。それでもなかなかはっきりとした音声が聞き取れずに、会場も不安に包まれた。軌道の関係上、無線交信が可能な時間はわずか10分。タイムリミットが刻一刻と迫ってくる。

  残り時間が5分となったころ、無線の音声を流すスピーカーに声が入った。「こちら宇宙ステーションの野口です。盛岡の皆さんこんにちは」。ようやくはっきりとした野口さんの声が聞こえる。この瞬間、遠く宇宙空間を飛行する野口さんと盛岡が一つにつながった。

  すぐに子供たちが質問を開始した。最初に質問したのは有原慧悟君(16)。日本時間の午後3時ころに起床したばかりの野口さんは「慧悟君おはようございます」と朝のあいさつから入った。宇宙空間のごみに衝突しないためにどうしているかの質問には「ちゃんと地上から監視して空の物が当たらないよう報告してくれる」と回答した。

  どうして人工衛星は地球に落ちないのか、宇宙ステーションの仕事で一番楽しいのは、小中学生でも訓練すれば宇宙に行けるようになるか。子供たちは次々と野口さんに質問をぶつけた。

  今月26日に誕生日を迎えた八重樫大君(10)には野口さんから「誕生日おめでとう」とお祝いメッセージが届けられた。交信後、八重樫君は「とてもうれしかった。人生でこういう体験はあまりしたことがないのでいい体験になった」と思わぬ誕生日プレゼントに大喜びだった。

  ボーイスカウトでもある野口さんとの交信に吉田将君(13)は「やっぱり野口さんはすごいと思った。宇宙で地球のこれからのために実験や開発を進めている。ボーイスカウトの先輩として自信になった」と話した。

  交信の橋渡しのため無線のマイクを握ったアマチュア無線盛岡クラブの野田尚紀会長。なかなかつながらない状況に「一番わたしがハラハラした。駄目じゃないかと思った」と振り返った。「聞こえてしまえば思ったよりもきれいに聞こえた。直接宇宙と話しているのは、こういう機会でないとみなさん共有することはない。まず成功と言っていいのでは」と安堵(あんど)の表情を見せた。


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