2010年 2月 4日 (木)

       

■ 地方市場化は「不可避」 盛岡市の外部監査人が報告書

     
  再び地方化への転換がクローズアップされた盛岡市中央卸売市場  
 
再び地方化への転換がクローズアップされた
盛岡市中央卸売市場
 
  盛岡市の09年度包括外部監査の結果報告書が3日、監査人から谷藤裕明市長へ提出された。今回は市中央卸売市場と施設の指定管理者制度など3テーマ。市場については、現在経営健全化に取り組んでいるが「中央として残るのは難しい」と指摘された。社会経済情勢などを背景に地方市場への転換は「不可避」と引導が渡された。市は40日以内に措置計画をまとめ、3月に市議会へ公表する予定。

  監査人で公認会計士の宗和暢之氏は▽市場の取扱額・量の減少▽場内関係者に対する現市場への移転に伴う施設使用料の激変緩和措置の継続▽市場外流通の増加による市場経由率の低下▽2016年度まで年間10億円償還する現市場の建設費-などの現状を考慮。

  市場会計の赤字を埋めるには市場跡地の売却益を積み立てた基金がある。それも現行で1・4年、残りがすべて売却されても2・9年で枯渇すると指摘。

  残る財源は一般会計の基準外繰り出し。それが3年連続すると国の指針により地方市場へ転換する条件が満たされる。現時点で4、5年先には、市や場内関係者の意思に関係なく強制的に地方市場化を迫られる。

  宗和氏は、中央市場で存続するにも、取扱額・量の増加の可能性、施設使用料を満額徴収した場合に仲卸など関係者が撤退する懸念などを踏まえると「どれだけ現実的か。少なくとも現状を放置するような状態だと中央として残るのは難しい」との認識を示した。

  その上で「強制的に中央市場から地方化されるよりも、国からの強制ではなく地方市場のメリットを生かして戦略を持って転換するべき。どうしようもなくなって選択肢がなくなって進むのは望ましくない。早い対応を考えるべき。市場の機能は何らかの形で必要」と勧めた。

  谷藤市長は「市場は(移転後)大きな器になってしまったので悪戦苦闘している。どこが(転換の是非を判断する)限界か見極める必要があるし(繰り出しは)市民に理解をいただかないと」と答えた。その他のテーマも含め「指摘を理解したうえで今後に反映させたい」と述べた。

  地方市場への転換は07年2月策定の活性化ビジョンでも議論された。当初は転換を前提としていたが、場内関係者が反発するなどして表現がトーンダウン。その後出荷団体からの委託手数料の自由化議論や取扱高の向上に主眼が置かれ、議論が宙に浮いていた。

  反発する理由は「中央から地方への格下げ感」というイメージ的なもの、「大型の出荷団体が大きい市場を選び、地方市場から撤退する」との事例に基づく懸念。産地からいいものが届かなくなり、事業規模の縮小につながるという危機感だ。

  ある関係者は「減収は施設使用料に跳ね返る。地方市場の議論がしばらくなくて頭から離れていた。売り上げの減少ばかりが頭の中を占めていた」と動揺を隠さない。


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