2010年 3月 22日 (月)

       

■ 最後の卒業生は1人 盛岡市の藪川小が134年の歴史に幕

     
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134年の歴史に幕を閉じる盛岡市立薮川小学校
 
  盛岡市立薮川小学校の閉校式は21日、同市玉山区薮川字町村の同校体育館で開かれた。同日最後の卒業生1人を送り出し、134年の歴史に幕を降ろした。同窓生や地域住民、学校関係者、来賓ら約150人が出席。「学校はなくなっても古里はなくならない」。ある同窓生は涙を浮かべながら胸を張った。慣れ親しんだ学びやとの別れを惜しみ、薮川地区の教育拠点として役目を終える同校に笑顔で感謝した。

 式典は体育館のトタン屋根を風が打ち付ける音が響き、窓越しに見える校庭のシラカバに風花が舞っていた。厳しく雄大な薮川の自然も閉校を惜しむようだった。式後は薄日が差し込み、同日卒業した千葉拓哉君(6年)、最後の在校生で弟の幸哉君(5年)の旅立ちを祝福していた。

  川村登市教育委員長は「薮川の教育は新しい学びの場に受け継がれ、新たな歴史を重ねると確信している」、学校開設者の谷藤裕明市長は「皆さんが種をまき育てた教育と、その魂を受け継がれた卒業生の活躍とともに薮川小学校の名前はいつまでも語り継がれる」とあいさつした。

  平野守雄・16代目校長は「薮川の人びとは苦しい時代でも学校を守り育ててきた。そのことが学区の温かい風土を生み、子どもたちを芯から強く育て上げてきた」と感謝し、地域の発展を願った。

  千葉君兄弟と同校OBで薮川中の小倉美紀さん(3年)、由紀さん(1年)姉妹、千葉優哉君(2年)の5人が登壇。拓哉君は学校の歴史、幸哉君は仲間を誇りとし「ありがとう、ぼくたちの薮川小、さようなら」と言葉を贈った。最後に会場全員で校歌を斉唱した。

  美紀さんは4月から県立盛岡農業高校に進学し、宿舎生活を送る。「たくさんの方に支えられてきたことを改めて感じる」と思いを新たにした。優哉君は3年生として拓哉君を中学に迎える。「今までの方たちの思いや気持ちを強く感じた。学校がなくなっても地域の伝統を受け継いでいきたい」と誓った。

  薮川小は盛岡市中心部から約40`、岩洞湖よりさらに数`進んだ平庭高原の手前に位置する。1876年(明治9年)9月、薮川村立薮川学校として設立。1953年(昭和28年)4月、薮川小学校として独立。75年(昭和50年)に現在の校舎ができた。

  昨年、PTAから谷藤市長に10年度で児童が1人になるため今年度末で閉校を求める要望書が提出された。市はPTAの意向をくみ閉校を決めた。卒業生は薮川学校から数えて約900人、薮川小からで約560人。

  会場では、同窓生親子が記念撮影したり、お世話になった校舎の姿を記憶に焼き付ける光景が見られた。77年度卒の工藤貢さん(44)は歴史を振り返るVTRに旧校舎で遊ぶ妹たちの姿を見て涙があふれた。前年の大冷害で1年ずれた100周年記念のときに児童会長を務め、在校時の思い出は尽きない。

  「学校がなくなっても古里や地域はなくなりません」と役目を終える学びやを後にした。

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