2010年 3月 23日 (火)

       

■ 土淵小、中を一貫校に 盛岡市教委が12年度ごろ目指し検討

     
  小中一貫校の導入が検討されている土淵中学校(左)と土淵小学校(右)  
 
小中一貫校の導入が検討されている
土淵中学校(左)と土淵小学校(右)
 
  盛岡市教委は同市の土淵小学校(高橋ひさ子校長、児童276人)と土淵中学校(増田文男校長、生徒74人)を統合し、「小中一貫校」とする方針で検討を進めている。地域や保護者から十分な理解が得られれば、新年度に準備委員会を設立し基本構想の策定などに着手。2012年度ごろの導入を目指す。学校施設も共有する一体型の小中一貫校は県内では初のケースで、今後の教育の先導的な役割を果たす上でも意義は大きいとしている。

  小中一貫校(小中一貫教育校)は、学習指導要領の範囲内で小学校と中学校のカリキュラムを連続させ一貫した教育を行う学校。9年間の子供の発達を見通し、従来の学年や校種の枠を超えた横断的な指導ができる。このため、「中1ギャップ」の緩和や小中学校教員の協力による学力向上につながるとされ、全国で導入する地域が目立つ。

  土淵小学校、土淵中学校は校舎が隣接。体育館やグラウンド、給食室は共用しているが授業や課外活動は別々に行われている。伝統的に教育に対する地域の協力が厚く、PTAは事実上、一緒に活動。越前堰の清掃活動や学区民運動会など小中学生がともに活動する場面はこれまでもあった。

  近年、長橋台地区の住宅開発が進み、土淵小はこの5年間で児童数が3倍に増加した。学区再編も一時検討されたが、地域住民から土淵学区の存続を求める要望書が市教委へ提出された経緯がある。

  小中一貫校であれば、現在の校舎を活用した施設整備も比較的、容易で地域の特性も教育に生かしやすい。当面は1学年2クラス程度で推移し、組替えがないまま人間関係が固定化する心配もないため、スムーズな導入が図られると判断した。

  小中一貫校が導入された場合、職員室や校長室、事務室、昇降口などは小中学校校舎の中間に新たな共同施設を整備。普通教室は原則として現在のそれぞれの校舎に配置するが、特別教室など可能なものは小中共有化を図り、異学年が交流する場を確保したい意向。

  既にPTAや地域住民の代表らへの説明会を開催しており、25日には広く地域住民が参加できる説明会も開催される。理解が得られれば、新年度、基本構想や施設整備計画の立案に着手し市の総合計画へ位置づける。

  全国の公立小中一貫校の先行事例では、学年のまとまりを「6・3制」から、「3・4・2制」に移行したり、早めに教科担任制を導入し、中学校の理科教員が小学4〜6年の理科も指導するなど、それぞれの学校で指導方法やカリキュラムを工夫。教育特区の指定を受け4年生から段階的に英語を教えている例もある。小1から中3までの縦割り班による遠足など学校行事にも特徴が見られる。東北では福島県郡山市立湖南小中学校や宮城県登米市立豊里小中学校などの先例がある。

  土淵小の高橋校長は「隣接して中学校があることは児童にとっても大きな安心感になっていた。小中一貫教育の先行事例をそのまま、当てはめるのではなく、土淵らしさを生かし、より豊かな教育になるよう時間をかけて準備していくことが大切」と語る。

  土淵中の増田校長は「職員の意識が一番の課題になるのではないか。小学校、中学校それぞれの教員が持つ特性を良い方に生かしていければいい」と期待する。

  県内では10〜12年度、モデル地区として奥州市前沢区と普代村で、校舎は別のまま既存の小中学校が教育研究などで連携する「連携型小中一貫校」の導入が決まっている。

  市教委学校教育課の作山雅宏課長は「子どもの育ちと教育制度は必ずしも一致していない。学習指導要領の基本は維持しつつも、子どもの育ちにマッチする仕組みを考えていくことも大事。どのような学校が土淵地域にふさわしいか、ステップを踏んで検討していきたい」と話していた。


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