2010年 3月 23日 (火)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉92 及川彩子 ミモザあふれる日

     
   
     
  春は、イタリアでも祝日が続きます。3月19日は父の日、5月9日は母の日。それに先駆け、3月8日の女性の日がやってきます。

  女性の日は、男性が女性にミモザの花を贈るのが習慣で、今年もアジアゴの街角は丸い金色の綿毛のミモザの花束であふれました。

  アルプス周辺から雪解けの便りと共にやってくるミモザは春の使者。アカシアの一種でギンヨウアカシアと呼ばれます。

  女性の日は、20世紀の初めに国連の呼びかけで誕生した「国際婦人デー」。1904年3月8日、ニューヨークで女性労働者が婦人参政権を要求しデモを起こしたのが始まりです。その後、ロシアでも女性労働者のデモがあり、最終的に帝政を崩壊に追い込みました。3月革命で、ロシアの暦では2月革命です。

  以来、旧ソ連諸国では「女性の社会参加と平等」をスローガンに、この日を祝日にしたのです。これに習ってイタリアでも、女性にミモザを贈る習慣が始まりました。

  この日、なじみの花屋さんをのぞくと、近所の男の子が「お母さんとおばあちゃんと叔母さんにあげるんだ」と、1束5ユーロ(約650円)の花束を買いに来ていました〔写真〕。マーケットやピザ店などでは、女性客にミモザを配る大サービスでした。

  イタリアで婦人参政権が認められたのは、第2次大戦後ですが、結婚しても姓が変わらない別姓制度をはじめ、女性の個人的位置づけは、日本とは大分違います。

  その例の一つが小学校。毎日が午前授業で、日曜日のほかに研究日と称した休暇が週1回義務付けられています。そんな労働条件からか、先生のほとんどが女性。「イタリア社会の特徴は、母性的」と言われるのも、こうした背景あってのことかもしれません。

  ミモザの金色は、カトリックでは太陽の象徴。その一方で、反逆の意味をも持つ相反的なシンボルです。それでも春を待つ人々の心を癒やしてくれることに変わりはありません。

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