2010年 8月 10日 (火)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉102 及川彩子 バイリンガルの行方

     
   
     
  長い夏休みに入って、もう2カ月。例年なら帰国して、盛岡の小学校に通うわが家の娘たちですが、今夏は、家の修復工事などがあり、帰国できなかったので、近所の友だちと日長、過ごしています。

  ここアジアゴで生まれ、現地の学校に通う中学1年(日本では小学6年)と小学2年の娘たちは、学校ではイタリア語ですが、家では日本語。日ごろ怠っている漢字練習をこの夏休みの日課に加えましたが、計画通りには進まず私の意気込みも空回り。

  いつかの読売新聞で「日本国内の業務を全部英語にするなんてバカな話はない」と、ホンダの伊東社長が語っていました。海外進出などから、社内で英語を公用語にする企業が増える現状に反対しての言葉です。

  米国研究所の副社長も務める伊東社長の真意は「英語と日本語を使い分ければ良いだけの話」と、取り合わなかったそうです。

  「母国語能力が高い子ほど、バイリンガル(2カ国語を話す人)になる」とよく言われます。近年、母 国語の授業強化を図ったミラノの日本人学校では、小学4・5年生でも、英検2級以上の合格者が多くなったそうです。

  日本ではバイリンガルの国際的な子どもを育てるため、幼児の英語教育や、アメリカンスクールに通学するのがもてはやされていると聞きました。

  海外で暮らしていると、国際人に求められるのは母国語の能力。他の言語への興味を引き出すのは母国語の理解力にほかならないとつくづく感じさせられます。

  夏休みを前に、ベネチア周辺に住む日本人の母親とイタリア人の父親を持つハーフの子どもたちの「カルタ大会」がありました〔写真〕。どの子も、毎夏、お母さんと帰国し日本の学校体験を楽しみにしているのです。

  漢字は分からなくとも、マンガ雑誌を手放さないわが家の娘たち。日本語と日本文化への興味の広がりを願う夏休みです。

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