2010年 8月 18日 (木)

       

■ 〈過ぎ去りし日〜北上山地の写真帳〉16 川ザッコ漁 横澤隆雄

     
  昭和60年ごろ、遠野市の猿ケ石川にて  
 
昭和60年ごろ、遠野市の猿ケ石川にて
 
  「川ザッコ漁」とは春の「ウグイ漁」のことを言い、「瀬ザッコ漁」とも呼ばれます。春に産卵期を迎えたウグイを、人工の産卵床におびき寄せて投網を使って獲る漁です。

  この漁は誰でも勝手にできる漁ではなく、入漁料を納め特別の許可を得た者だけに場所と期間を限って許される漁です。

  遠野の菊さんはこの漁が得意でした。5月の連休のころになると川原に菊さんの粗末な小屋が建ち、川作りが始まります。長年の経験に基づいて、川の流れを調整したり砂利を入れたりと、ウグイが産卵しやすい条件を整えてゆきます。

  川の増水で最初からやり直しということも珍しくありませんでした。魚が獲れると「ザッコ食いするべ〜」と誘ってくれました。ビニールで覆った程度の粗末な小屋の中に炭火をおこし、獲れた魚を焼いてくれました。川風は心地よく、焼きたての「ザッコ」の味は格別でした。夜を徹して漁をする菊さんの様子を見ながら、朝まで食べたり飲んだり楽しい時間が過ぎていきました。

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