2010年 9月 3日 (金)

       

■ 〈お父さん絵本です〉323 岩橋淳 ありとすいか

     
   
     
  今年はスイカ、いくつ食べましたか?

  今週の1冊は、イラストレーター、アニメーション作家、マンガ家と、マルチな活躍で私たちの目を楽しませてくれるたむらさんの、デビュー作です。現在のかたちでの出版は2002年ですが、もともとは1976年。久しく入手不可能だった記念作の、復刻版なのです。

  透明感というかツヤというか、独特のポップな画調は変わりませんが、現在の作風と較べてみると、現在はバックに鮮やかな1色を掃いているのに対して、本作では白を基調にしていることが印象的。大きなスイカの「赤」を際立たせるためでしょうか?

  ある夏の日、ピクニックの家族が残していった、スイカの一切れ。やがて、甘いにおいをかぎつけてやってくる、アリたち。…、このアリは斥候部隊とでも言いましょうか、少人数だったために、巨大なスイカを持て余してしまいます。とにかく仲間を!ということで招集されたアリンコ軍団、ワイワイと集まって、大奮闘の始まりです。

  絵本における集団(モブ)シーンは、あちらこちらで工夫や事件やギャグが同時多発、読んでいる側のワクワク感を増幅させる作用があります。そして、アニメの動きにも通じる躍動感。この本を前にしたこどもたちは、アリたちと一緒になって、わっしょい、と唱えることでしょう。

 【今週の絵本】『ありとすいか』たむらしげる/作、ポプラ社/刊、1365円(2002年)


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