2010年 9月 12日 (日)

       

■ 〈早池峰の12カ月〉62 丸山暁 ゲゲゲの女房

     
   
     
  8月いっぱい続いた灼熱(しゃくねつ)地獄も、9月に入り少し秋の気配を感じてきたようだ。ついこの間まではホウレンソウや白菜のタネが芽を出しても端から枯れてきていたが、このごろはたまには朝露も降り、野菜たちもやっと生気を取り戻した。

  自然のなせる業、まだ油断はできないが、野菜たちも人間様も一息つけそうである。

  特に今年あたりの地球温暖化(僕は昨年は地球温暖化人為説否定論も紹介したが、すでに温暖化が現実味を帯びれば人為説、自然説どっちだってかまわない)は、関東まで亞熱帯化しても、東北は暖かくなっていいなどとのんきなことを言っている場合ではなくなった。

  国の政治が乱れると自然が荒れると、どこかで聞いたことがある。日本だけの異常気象ならこの説もうなずけるが、今世界中で起きている異状気象を考えればやはり日本の政治の混乱だけではなく、人類全体の乱れのせいなのかもしれない。

  もしそうなら、ここで大きな問題、大げさに言えば人類全体の大問題が残る。すなわち温暖化の原因が人類の活動のせいだとすれば、人類の活動の多くは意識無意識にかかわらず、人間が望んできたように動いてきたのであり、たぶんこれからもそうだろう。

  果たして人間は、人類は欲望を抑制できるものなのだろか。確かに人間には理性が備わり、欲望を制御する力も持ち合わせてはいるが、仙人やヨガの達人や一部の禁欲家でもない限り、大多数の生活者は常に新しい何かを求めて生きている。

  しかも、現在の世界は景気回復と、世界中、官民あげて消費をあおり、エコエコと結局は新しい商品、機器に飛びつくようにそれこそ手を変え品を変え誘惑してくる。

  僕は3次元TVなど見たくもないが(もちろん欲しい方はどうぞ)、いずれ時代が進めば、多くの映像は3次元化され、家にいても街中を歩いていても、めったやたらどこにでも3次元コマーシャル映像が浮かび上がってくるかもしれない。

  今、朝ドラの「ゲゲゲの女房」が大人気で、主人公に「文明が進んで妖怪の居場所がなくなった」と語らせているが、心配ない。そのうち、誰かが作った得体の知れない映像がどこからともなく浮かび上がってくるかもしれない。ご存知映画「ゴーストバスター」の世界のように。

  妖怪をこの世から消し去った科学とて、これまでは真空と考えていた宇宙空間は未知のダークマターに満たされているという。まだ見ぬ妖怪がその辺りにいるかもしれない。
  (丸山暁建築・空間工房、大迫・外川目在住)


本ページ掲載内容の無断転載を禁じます
ホームページに関するお問い合わせ、取材に関する情報は
E-Mail:hensyuu@morioka-times.com
盛岡タイムス宛てにお願いします