2010年 9月 16日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉325 岩橋淳 うんこ!

     
   
     
  今年はじめに刊行され、絵本としては驚異的なペースで10刷。今週は、タイトルだけで泣く子も黙る、否、笑い転げる一冊。…、毎度のことながら、こどもって、どうしてコレがスキなんでしょう? 幼稚園から小学校の低学年あたりまで、寝ても覚めてもという時期がありますが、とるものもとりあえず、ページを繰ってみるとしましょう。

  外の景色が見えてきた、と、画面は暗闇の中から円形の窓を通して町内の風景が望めるんですが、これは要するにオシリのアナから、本編の主人公、うんこくん衝撃の誕生の瞬間! かれはイヌの排泄物として「生まれ落ちた」のです。

  さて、本題はここから。自らの存在を、なんとか認めてほしい。これは、生まれたてのうんこにしてみても、アイデンティティーの問題として、かなり重要なものであるらしいのですが、まずは「産みの親」であるところの、この場合は道行くイヌなのですが、これを呼び止めようとする。そして、これが意の通りにならなかったとして、口惜しや、かれの口をついて出ることばが、…。オハナシは、なんとかして「世に出よう」とするかれの悪戦苦闘ぶりを、他愛のないダジャレで綴ることになるのです。

  そちら方面のフレーズ連呼、かくて読み聞かせの会は興奮のるつぼと化し、ともすれば収拾は不能、これはもう流れに逆らわず、ノッてしまうしかありません。お大事に。

  【今週の絵本】『うんこ!』サトシン/作、西村敏雄/絵、文渓堂/刊、1365円(2010年)。

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