2010年 9月 21日 (火)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉105 及川彩子 オーストラリア牧場

     
   
     
  ここ数年、政情・経済不安の広がるアフリカやアルバニア、ルーマニアなどからの移民問題で揺れるイタリア。そのイタリアも、1880年代に新天地を求めて海外移住が始まり、第1次世界大戦前には移住者の数が500万人にも上りました。

  行き先は主にアメリカ、南米アルゼンチン。アメリカ東海岸の「サンフランシスコ」は、アッシジの聖人サン・フランチェスコにちなんで名付けられた街。また、イタリアの少年マルコが、アルゼンチンに出稼ぎに行った母親を訪ねて旅をする物語『母を訪ねて三千里』は、日本でもよく知られています。

  アメリカ、南米に次いで多いのがオーストラリア。アジアゴの友人にも、オーストリアに親せきがいるという人が少なくありません。

  10年来の付き合いになる女友達ダーナさんもその一人。ダーナさんの両親は、イタリア系オーストラリア人。オーストラリアで生まれ育ちながらも、母国の生活を望み、幼いダーナさんを連れ、遠縁のいるアジアゴで自転車店を始めたのが40年ほど前。その後、彼女は、乳牛80頭を抱えるアジアゴの大規模酪農家リゴーニ家に嫁いだのです。

  そんな彼女から「馬場を開業したよ」との知らせを受けたのは今年の春。その名も「オーストラリア牧場」。街外れの牧草地の一部に馬場を造ったのだそうです。「いつか牧場を経営したい」という両親の夢をかなえるために奔走。それがオーストラリア式乗馬教室だったので、地元の人たちも驚きです。

  すでにベネチアやミラノなどの愛好家たちの馬も預かるほどの評判で、雪山歩き・海岸乗馬ツアーなど遠乗りも企画し、活動も大陸的です。

  わが家の長女ルチアの幼なじみで、中学1年になる娘キアラちゃんも乗馬に夢中。夢は、オーストラリアの大地を馬で駆け回ること〔写真〕。アジアゴの新名所、オーストラリア牧場は、両国の懸け橋を目指しているのです。

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