2010年 9月 30日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉327 岩橋淳 こんちゅうってなんだ?

     
   
     
  夏から、秋へ。高い空を見上げればいつしかトンボが飛び交い、足下にはコオロギ、カマキリ。目にする虫たちも秋の貌です。…さて、ムシ、と言うと、その定義はいろいろ。一方では海に棲むゴカイやイソメから陸棲のクモ、サソリ、ムカデゲジゲジなどなど(ご婦人方はキャー!と飛びすさってしまいそうですが)、要するに脚がいっぱいあって、そこここをはいずり回っているような生物の総称のような使われ方をすることもままあるのですが、そもそもムシってなに?

  今週の1冊は、狭義のムシ、すなわち昆虫の定義を明確に描き示したもの。100万とも500万とも言われる、地上最大の種族、昆虫。姿かたちのみならず、生態も千差万別で、それでもしっかりと定まった構造上のきまりごと。頭・胸・腹。からだが三つの部分に分かれ、6本の脚と、4枚の羽を持つ。これに外れる生物は、どんなにカタチが似ていても、それは昆虫にあらず。さまざまな昆虫の紹介と並行して、ムシのようでムシでない生物たちも紹介されていきます。

  未就学のムシ博士にも理解しやすい表現と、反復。そしてあえて写真や細密画を用いず、切り絵で構成されたビジュアル。ハードなテーマに挑みながらも軸足はしっかり「絵本」に置いた、異色作です。巻末「虫嫌いのお母さんのための解説」も、グッド。

  【今週の絵本】『こんちゅうって なんだ?』A・ロックウェル/作、S・ジェンキンス/絵、あべけんいち/訳、福音館書店/刊、1365円(2001年)。

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