盛岡タイムス Web News 2010年 12月 8日 (水)

       

■ 〈過ぎ去りし日〜北上山地の写真帳〉32 秋じまい 横澤隆雄

     
  昭和60年ころ、川井村横沢集落(現宮古市横沢集落)にて  
 
昭和60年ころ、川井村横沢集落
(現宮古市横沢集落)にて
 
  農家には、収穫の締めくくりに秋じまいが待っています。穀物類は蔵や倉庫にしまうのですが大根やニンジン、ジャガイモなどの根菜類は畑に穴を掘り、その中に埋め込んで保存します。

  土の中に眠らせて置く状態なので、「大根を休める」という言い方をします。

  畑で収穫した大根はたくあん漬けにするものなどは丁寧に洗って干すのですが、残りの大根は畑に大きな穴を掘り、その中に入れて上に藁(わら)をかけ、その上を土で覆います。

  こうしておけば冬の寒さで凍りつくこともなく、いつでも新鮮な大根を食べることができます。必要の都度、こんもりと盛り上がった土を目印にして手が入る程度の大きさの穴を開けて取り出します。

  ニンジンやジャガイモなども同じように休めて置くのですが、ネズミに狙いを付けられると大変なことになります。土の中にあるので気がつかないうちにネズミが侵入し、穴の中に休めたものが全部かじられているということがよくあります。秋じまいはネズミとの知恵くらべのようなものです。
(紫波町在住)

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