盛岡タイムス Web News 2010年 12月 8日 (水)

       

■ 〈芸能ばんざい〉27 飯坂真紀 兄川先祓い(八幡平市)

     
   
     
  兄川先祓いは12月11日、初めて外へ出る。

  先祓いは旧安代町(八幡平市)だけに伝わる芸能である。その名の通り、祭の日に御輿渡御の先導をしながら歩き、大きな家や御旅所で輪踊りをする。テンポの良い太鼓に乗り、腰をおとしてぐっと前屈みになる独特の姿勢で踊る。鹿角街道ぞいに多くの先祓いがあったが、現在は4団体ていどになっている。

  しかし実はお隣の秋田県鹿角市八幡平地区でもいくつかの先祓いが活躍している。明治期に安代町館市地区兄川の先祓いを習得したので、別名「兄川舞」とも呼ばれている。街道筋から少し離れた兄川と鹿角との関係を不思議に思ってたずねると、林業がさかんな頃は兄川から秋田へ流れる米代川を使って木材を流し、鹿角へ搬入していたという。最近は鹿角市湯瀬の先祓いとの交流があって、お互いの祭に行き来している。

  こんなことを教えてくださったのは兄川先祓いの事務局さんだ。先祓いを愛して止まない彼は、兄川をもっと元気にして先祓いをずっと続けたいと考えている。兄川では「デンデコ」「立ち車」など8種類のレパートリーに加え、今年はしばらく途切れていた「杵取舞」を復活して喜ばれた。

  この夏は県内の3大学の学生14名が兄川にやってきた。学生たちは、地域作りの活動として公民館に寝泊まりしながら兄川の魅力と可能性を調査した。先祓いも見学してその躍動感と楽しさに触れた。次の夏には祭の輪に加わる若者が現れるかもだ。

  今までは町内でのみ踊っていた兄川の先祓いだが、今月は「プラザおでって」での盛岡公演が待っている。少しずつ新しい流れが生まれている。

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  【兄川先祓いの主な予定】第34回おでって芸能館(12月11日)、兄川稲荷神社祭典(7月第3日曜日)

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