盛岡タイムス Web News 2010年 12月 9日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉337 岩橋淳 とうちゃんなんかべーだ

     
   
     
  さて、世のとうちゃんたちに伺います。このショッキングなタイトルに、そ、そんなこと言われたって…、と戸惑いを覚えるか、何言ってやんでい、とヘッドロックで逆襲するか、あなたはどちらでしょう? 何か、眼をむかれるようなコトをしでかしたのか、それとも冤(えん)罪なのか。それでは本を開いて検証といきましょう。

  だって、いっぱい遊ぶって言ったじゃないか、とは息子の弁。ああ、約束の日曜日に寝坊かなんかしたのね。もしくは仕事に打ち込むあまり、ついつい約束をすっぽかしたか。ならば面と向かっての罵詈雑言(ばりぞうげん)も仕方ないか。え? 違うの? 聞けばヒゲの剃(そ)り跡も青々としたガテン系のとうちゃん、朝から竹藪で竹を切って弓矢具足を一そろえ作って「那須与一ごっこ(!)」、庭でおもちゃ埋め戻しの宝探し、自転車競争、魚釣り、池掘り、昆虫標本の整理と八面六臂(ぴ)の大活躍。で、昼寝を欲しての際に浴びせられた「べーだ!」というのが、経過のようです。

  うーん、ちょっと待って。ムスコよ、この時点で、お昼だぜ!? これなら並みのとうちゃんの1年分はご奉仕してるでしょ。てか、いったい今朝は何時に起きたんだよ!?

  「とうちゃんと遊べる!」というこどもの期待と、それに真っ正面から応えちゃった父親のやりとりに、半分ほろ苦、半分微笑を禁じ得ない1冊ではありそうです。

 【今秋の絵本】『とうちゃんなんかべーだ!』伊藤秀男/作、ポプラ社/刊、1260円、(2008年)。



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