盛岡タイムス Web News 2010年 12月 23日 (木)

       

■ 県内建設業30社に課徴金納付命令 公取委


  公正取引委員会は22日、県内建設業者が県発注工事入札で独禁法違反と審決した、いわゆる91社談合問題で30社に対し20日に課徴金納付命令を出したと公表した。総額は3億6252万円。納付期限は来年2月21日。不服申立は30日以内に出すことができる。2006年5月に課徴金納付命令の出ている1社を含む31社の課徴金総額は3億7020万円となる。県はこれを受け、損害賠償金請求の手続きに入る。

 91社のうち破産手続き開始などにより11社は審決の対象にならなかったため80社に対して同日、審判の審決が出た。このうち50社は県発注の特定建築工事の受注実績がなかったなどのため除外され、30社に対し納付命令が出た。この中には審決取り消し訴訟を提起している6社のうち4社が含まれる。

  課徴金は受注額の3%。30社への納付命令は最高3980万円(宮城建設)から127万円まで。19社が1千万円以上の額となっている。このうちの1社は、納付命令書が22日に届き、課徴金は受注物件に対するもので推認は含まれていなかった。不服申し立て期限は送達から30日以内で認められるが「命令通り納付する予定」という。

  別の社は、特定事業共同体の工事で納付命令を受けた。同社社長は「(確定期限まで)1カ月あるので、同じ命令を受けた皆さんの意見も聞きながら判断したい。課徴金の資金はこれから寄せ集めないといけない。県の賠償金も考えなければ。(納付は)分かっていたことだが、早く終わってほしい」と話した。

  県では業者に対し審決後、指名停止処分とし既に6カ月の停止期間を終了している。談合に対する損害賠償金は当該工事の請負代金の10%を支払わなければならない契約となっており、課徴金納付命令を受け、対象工事や金額、業者の確定など具体的手続きに入る。

  県の請求対象は公取委の課徴金対象となる01年4月1日から04年10月25日までの実行期間よりも半年ほどさかのぼり、期間後の変更契約も対象となる。対象業者は今後の精査で減る可能性もあるが39社(31社含む)。試算では最大97件の工事が対象で、賠償請求総額は約15億円になる。

  請求は年度内に対象業者へ一斉に出したいとしており、公取委への不服申し立て期限を経過して確定後、請求対象業者への説明会を開いてから請求する考え。ただし、係争中の4社に対しては確定するまで請求を見合わせる。

  県では損害賠償金の減免については「原則通り全額を払ってもらう」方針。一括納付が原則だが、分割納付については地方自治法施行令に認める履行延期の特約等に該当する場合、認められるとしている。

  県建設業協会の山本博専務理事は「再発防止とコンプライアンスの確立に向けた取り組みを進めており、業界改革に一層の努力をしていく。当該企業にとって課徴金や賠償金の負担は大きく、建設業界全体が疲弊している中、条件緩和などの折衝は必要と考えている」と話している。

  達増知事のコメント

  今回の公取委の課徴金納付命令の内容とその後の状況も確認しながら、県としての対応を進めていく。県内建設業界に対しては、現在進めているコンプライアンスの取り組みを引き続き着実に進めてもらいたい。

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  【岩手談合事件】

  01年4月以降、県発注の特定建築工事について談合があったとして、05年6月に公取委が91社に勧告し、8月に審判開始が決定した。このうち1社に対しては06年5月に課徴金納付命令が出され、今年3月23日に課徴金の納付を命じる審決が出ている。


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