盛岡タイムス Web News 2010年 12月 31日 (金)

       

■ 〈潮風宅配便〉9 草野悟 飲んべえ列車が走る

     
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  三陸鉄道の自慢のレトロ列車を貸し切って「飲兵衛列車」という企画がすでに20回を超えています。酒のスポンサーは、蔵元やビール会社で、食事やおつまみは三陸鉄道が準備します。呼びかけ人は「佐々木生太郎」さんという健気な好人物で、まったくの無償行為です。こうした無償で貢献してくれる方が三陸鉄道は大好きなんですね。

  12月の初め、飲兵衛列車は久慈駅発〜普代駅間の往復2時間の旅。「飲兵衛列車やりますよ」と声をかけるとたちまち定員になってしまうほど人気の企画です。夜汽車に揺られ、漁火をぼんやり眺めて一句、なんてとてもとても。

  出発した瞬間から飲み始めます。どこを走っているかなんていうのもまったくお構いなし。最初は自分の席で飲んでいますが、次第に交流の輪が広がり、あちこちで名刺交換が始まります。

  三陸鉄道にしますと、天気も景色も関係なく、ただひたすら安全運転に徹すればいいので、大変ありがたい企画なのです。「飲兵衛列車」は誰でも参加できますが、この列車の貸し切りもできます。

  会社のお祝いごとや女性同士の誕生会、ゴルフの打ち上げ会など利用目的はさまざまです。なにしろ1両貸し切り5万円ですから、45名定員ですと1人1千円ちょっとで済みます。一般募集の「飲兵衛列車」では酒造メーカーさんが門外不出の銘酒を出してくれたりとサプライズも飛び出します。

  列車に揺られておしゃべりして、おいしい海の幸をつまみに、特別なお酒をたしなむ飲兵衛列車、ところが終着駅に近づくころになりますと、記憶喪失者が出てまいります。約10%程度の方が我を忘れてしまいます。

  そんな人たちを優しく介抱するのが三陸鉄道の幹部の面々です。中央にいるのは、実は飲みたくてしょうがないという本部長さん。「任務が終わったらたっぷり飲んでやる」と心で愚痴を言いながらの笑顔、いいですねえ。飲兵衛列車終了後の深夜、千鳥足で歩いている本部長さん。何度も目撃されております。

  この飲兵衛列車は、南リアス線、北リアス線のどちらでも要望があればいつでも走らせます。一般募集が基本ですので興味のある方は時折三陸鉄道に問い合わせしてみてください。
(岩手県中核観光コーディネーター)

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