盛岡タイムス Web News 2011年 3月 10日 (木)

       

■ 〈お父さん絵本です〉349 岩橋淳 「串かつや よしこさん」

     
   
     
  ご存知長谷川画伯は、本稿306『大阪うまいもんのうた』で、たこやき、ぎょうざ、お好み焼き、ぶたまん…、と、かの地のB級グルメを網羅して関西ローカルから全国への発信を果たした…、かに見えましたが、まだやり残したことがあったようです。

  串かつ。われわれになじみがあるのは豚肉メイン、せいぜいタマネギを添えて揚げたものにソースを「かけて」食するものですが、関西は牛肉メイン、さらに豚鶏はおろか魚、あらゆる野菜しゅうまいちくわバナナまで揚げようかというもの。そして、カウンター上に点々と設置されたステンレス容器に満たされたソースに「ドブ漬け」して、客同士が肩ぶつけ合いながらいただくという、これはもう、郷土料理の域。

  さて、なにわの繁華街の一角、単身串かつ店を切り盛りする美女、よしこさん。行列のできる大繁盛店、ではなさそうですが、それでも切れ目なくお客さんは訪れます。そしてお客さんにもいろいろあって…、機嫌が悪かったりハデだったりイチャイチャしていたり泥棒だったり? そんなとき、「それでは ようござんすね。あげさせていただきます(なぜか伝法)」の口上とともに供される、からりと揚がった串かつ、ひと皿。

  「これはうまい!」と、お客さんの悩みも一挙解決のめでたさよ。それぞれが晴れ晴れと、お店を後にするのでした。なんだか劇画雑誌に載せてもよさそう?

  【今週の絵保温】『串かつやよしこさん』長谷川義史/作、アリス館/刊、1365円(2011年)。

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