盛岡タイムス Web News 2011年 3月 20日 (日)

       

■ 内陸部への避難者移送始まる 仮設住宅建設作業も

 東日本巨大地震の津波で甚大な被害を受けた沿岸部ではいまだ297カ所に5万人に近い住民が避難所生活を送っている。既に発生から1週間が過ぎ、避難者の疲労は蓄積している。19日、内陸部の宿泊施設への移送が始まった。応急仮設住宅の建設も19日、陸前高田市などで着工した。避難から生活へとシフトする被災者支援が動き出した。

  沿岸の建物被害は19日朝の時点で、12市町村のうち確認されている8市町村だけでも全壊1万878戸に及び、釜石市、大槌町、山田町では多数の被害が出ているが、戸数を確認できていない。避難所生活を続けている人たちの多くが、帰る家を失っている。

  余震が収まって仮に家を再建するにしても、相当の期間は一時的な仮住まいが必要となり、仮設住宅の整備が不可欠。ストレスや生活の不便を緩和させるような環境の整った一時的な居住空間の確保で住民の生活を支援することが急がれる。

  避難者の内陸への移送は、県が受け入れ可能な民間施設を募集していた。急募に対し、約120施設が申し出、約9500人を確保できる見込みとなり、17日で受け付けを終了した。19日にはさっそく釜石市から25人ぐらいが北上市へ移送された。

  盛岡市内でも受け入れに手を挙げた施設がある。つなぎ温泉ではつなぎ温泉観光協会がホテル・旅館の8施設で243室、1215人分の受け入れが可能として受け入れを決定し、県に伝えた。

  同協会では協会のみならず、県旅館ホテル生活衛生同業組合つなぎ支部、つなぎ町内会とも協議して受け入れる。このため、郵便局、つなぎ温泉病院など、単に宿泊施設だけでなく地域として避難者を受け入れ生活の便宜を図っていく体制を整えたと説明している。19日午前の時点で具体的な受け入れ要請はないが、要請にすぐ対応できるという。

  民間受け入れ施設は沿岸の被災者を一時的に受け入れるもので、仮設住宅などの生活環境が整うまでの間(1〜2カ月程度)になる。暖房や入浴施設が整い、食事を提供できるか自炊が可能な施設。プライバシーもある程度保たれる。

  食事提供の場合は1人当たり1日5千円を限度に、食事提供ができない場合は同3990円を限度に県などが負担する。

  仮設住宅の方は県が専決処分で事業費のため債務負担行為で400億円を限度額に設定して措置した。これにより8800戸程度の建設が可能と見込まれている。

  県建築住宅課によると、災害防止法に基づく被災者のための初の応急仮設住宅は19日、陸前高田市と釜石市で着工。陸前高田市では同日午前、起工式が行われた。

  初の着工分では、陸前高田市は高田一中グラウンドに約200戸を計画し、年度内に36戸の完成を目標としている。釜石市は中妻町の昭和園グラウンドに約100戸を計画している。ほかの被災市町村でも準備が整い次第、順次、着工していく予定。

  県ではプレハブ建築協会に当面、8800戸を想定していると連絡。協議のうえ建設について正式に要請していた。

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