盛岡タイムス Web News 2011年 3月 24日 (木)

       

■ 〈潮風宅配便〉22 草野悟 うれしい入浴無料、新里の「ゆったり館」

     
   
   
   
     
被災して7日も経ちますと、寒さに震えた我慢も限界に達します。何よりうれしいのはお風呂に入れることです。宮古、新里のゆったり館は被災者の方々に無料で入浴を開放しています。

  お風呂の中でつかまらないと歩けない父親の体を丁寧に洗う息子さん。湯船で天井を見たまま動かないお父さん。混雑する洗い場で散らかったサービスに頂いたシャンプーのパッケージを片付けている中学生。皆さんマナーもよく順番を守り久しぶりのお風呂を楽しんでいます。

フロントの方に聞きますと、「誰でも無料です。地域の人だけとは限りません」と、多くの人を受け入れています。口々に「ありがとうございました」とフロントの方にお礼を言って帰っていきます。

未曾有の地獄のような大震災にあっては、自治体区分など関係なく全てが仲間です。ブナ峠の光山温泉は民間ですがマイクロバスの送迎つきで避難所の方をお風呂に運んでくれています。

  寒い夜空にくっきりと浮かぶお風呂の明かり。気持ちの温かさに頭が下がります。聞くところによると、無傷の公共施設があり、しっかりシャワーが出るそうです。そこは「村人以外受け入れはだめ」と村営の役場管理者が言ったそうです。実に情けないことです。

従業員さんたちの陳情により「それじゃ30名までなら」と譲歩があったようですが、悲しすぎる田舎役人根性です。ま、このコラムは美しい心がテーマですから、この辺でやめます。湯冷めしてしまいますから。

  気分よく体も心も温まった被災者の皆さんは幸せです。まだまだお風呂にも入れない、下着も取り替えられないという人たちがたくさんいます。公共でなくても民間でも個人でも、ぜひお風呂やシャワーに入れてあげられるところは受け入れてください。お願いいたします。

  ボランティアのひとつの仕事として、お年寄りなどを送迎してくれることもきっとありがたいですね。あ、この新聞は内陸専門ですね。じゃあ伝えられる人、協力可能な人、みんなで考えましょう。
(岩手県中核観光コーディネーター)

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