盛岡タイムス Web News 2011年 3月 26日 (土)

       

■ 震災翌日、一万食の弁当供出 矢巾町の盛岡デリカが無料で

     
  矢巾町高田15地割の盛岡デリカ工場  
 
矢巾町高田15地割の盛岡デリカ工場
 
  コンビニエンスストアに弁当を供給している盛岡デリカ(本社・東京都千代田区、加藤新悟社長)は12、13日、矢巾町高田の同社工場周辺の住民に製造した弁当を無償で提供した。工場を任されている大坪正敏常務は「震災で工場の稼働、配送がストップ、このまま賞味期限が切れて捨てるよりは普段から交流のある地域の皆さんの役に立てるべきだと私の独断で決めた」と語り、1万食以上の弁当を上限を決めずに必要な数だけ配り、停電で調理ができなくなった住民たちの食を支えた。

  矢巾町の工場は2006年3月に株式会社グゥー東北から営業譲渡を受けて操業。従業員はパートを含めて198人。24時間、2交代で米飯、調理パン、総菜など1日に4万食を製造し1日2回出荷している。

  震災当日、工場では大量の弁当を調理していた。容器への盛り付け、包装を終えた製品がラインに残ったままストップ。地震が収まると当時働いていた60人の従業員を避難させた。その翌日、県や矢巾町に支援物資としての提供の申し入れをしたが、体制が整っていなかったので1万食以上の弁当が残った。

  大坪常務は「ご飯も残っていて、おにぎりだけで1万以上あった。これを無駄にしてはならない。近隣の住民とは普段から交流を図っていたので配ることを決めたが、口づてに広まっていき大勢の人が集まってきた。2、3日に復旧すると思ったが、その間は電気もガスも使えないので、地域の皆さんが困っている何とかしたいと行動した」と話す。

  この震災で同社は大きな損害を受け、工場のラインはほとんど休止した状態が続いている。

  高田地内に住む佐藤誠一さん(71)は、7年前に奥さんが亡くなり独り暮らしをしている。「自炊するようにしているが、震災で停電となり困っていたところ近所の人が盛岡デリカさんが無償で弁当を配っていることを知らせてくれた。行ってみると大勢の人が集まっていて、好きなだけ持って行っていいという。こんなことは今の時代にはない、感激した、本当に助けられた」と話している。

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