盛岡タイムス Web News 2011年 3月 28日 (月)

       

■ 避難者ようやくひと息 鶯宿温泉で2週間ぶりに入浴

     
  雫石町の臨時窓口などが設けられたホテル加賀助のロビー  
 
雫石町の臨時窓口などが設けられた
ホテル加賀助のロビー
 
  雫石町鶯宿のホテル加賀助と長栄館が26日から、大槌町と山田町からの避難者103人を受け入れている。103人は約2週間ぶりに風呂に入り、布団の上でゆっくりと足を伸ばして寝たという。ようやくひと息ついたものの、今後に心配が募る避難者も。内陸での避難生活はまだ始まったばかりだ。

  両施設のロビーには雫石町が午前9時から午後4時まで臨時の窓口を設け、避難者のさまざまな相談に応じている。現在、必要としているものを調達したり、医師や保健師による保健相談も実施。27日は体調を崩している人や病気の人などを近くの鶯宿温泉病院で診察してもらった。

  窓口には避難者から歯ブラシやひげそり、衣類、靴下などの日常品が必要という声が寄せられた。同町では震災直後から個人物資を含めて町が独自に救援物資の受け付けをしており、避難者から要望があったものについては今のところ迅速に対応できているという。

  窓口に設置されたホワイトボードには交通機関の時刻表や沿岸部の郵便局の電話番号など避難者が必要とする情報が掲示されているほか、無料の携帯電話や仮設の固定電話、施設の外には宿泊施設が設置した洗濯機も用意されている。避難者には小中学生も多いことから、住民が持ち寄った絵本や児童書も置かれていた。

  大槌町の避難所から避難してきた里舘光雄さん(74)、ナツ子さん(67)夫妻は「避難所では段ボールを敷き、毛布を敷き、その上で寝ていた。布団に寝られるだけでいい。電気も水も出なくてトイレもひどかった。地震後初めてお風呂に入ったが、とっても良かった」と話した。一方で、「娘たち夫婦を置いてきたので」と仕事で大槌町に残った娘夫婦を気遣っていた。

  この日は仙台市から息子の光春さん(45)も両親に震災後初めて会いに来た。「震災後は安否が分からず、16日に避難所の特設電話で安否を知った。仙台から帰省するところがなくなった、何もなくなったという精神的なところが大きい。まずは顔が見られて一安心した」と自宅をなくしたことにショックを受けていた。

  ホテル加賀助の川口善昭社長は「寒さも違うし、食事も3食いただけていいという声は聞こえてきている。しかし、被災者にはこれからどうなるんだろうという不安や精神的なダメージを受けている人もいる。心と体が休まるようにお手伝いしたい」と話している。


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