盛岡タイムス Web News 2011年 4月 1日 (金)

       

■ 家族に大切な思い出を 被災地で学生がアルバム回収のボランティア

     
  持ち主を失った写真を返すボランティアをしている小田洋介さん  
 
持ち主を失った写真を返すボランティアをしている小田洋介さん
 
  東日本大震災津波の爪痕が残る野田村役場の前に、津波で持ち主を失ったアルバムや写真が並べられている。大切な思い出を何とか家族に返したいと同村出身の小田洋介さん(25)が始めたボランティアだ。数百冊のアルバムには、高校の卒業アルバムや七五三の写真、結婚式の写真とそこに生活していた人の歴史が宿っている。

  小田さんは現在、千葉県の大学の大学院生。震災を知り「とりあえず帰るしかない」と地震直後に同級生の車で3日間かけて野田村に戻ってきた。あらゆるものがなくなった古里の景色に「野田じゃない」とわが目を疑った。

  自身の家も流され、がれきの中にあった。2階の一部だけが残ったその家で最初にアルバムを見つけた。周辺のがれきの中にもアルバムがあった。「このままにしておけない」。近所の人が写っている写真もあり、返してあげると非常に喜ばれた。

  小田さんは親戚の家にお世話になりながら震災から5日後、がれきの中の写真を持ち主に返すボランティアを始めた。最初は同級生と5人くらいで始めた活動だが、徐々に認知され消防士や一般の人も写真を持ってくるようになった。現在は数百冊のアルバムのほか、卒業証書なども家族の元に返る日を待っている。

  写真は泥だらけにはなっているものの一人ひとりの思い出が詰まった品。集めた写真の中からお孫さんの写真を見つけた人、昔の写真が出てきて思い出話をしてから帰って行く人もいた。既に十数人が来て写真を持ち帰った。

  毎日数人のボランティアと一緒に写真を整理している小田さん。「家が全壊して何もない人が多い。写真だけでも見つかると良かったとうれしがってくれる。持ち主のところに帰って、少しでもその人が元気になってくれれば」と話す。

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