盛岡タイムス Web News 2011年 4月 4日 (月)

       

■ 〈不屈の意志〉被災で使命感新たに 薬王堂社長西郷辰弘氏

     
  震災後の状況と今後の方針を語る西郷社長  
 
震災後の状況と今後の方針を語る西郷社長
 
  薬王堂(本社・矢巾町)の西郷辰弘社長に、東日本大震災津波での企業の対応と被害について聞いた。同社は東北130店舗のうち、11店舗が被災して営業停止し、4人の従業員が亡くなった。停電と燃料不足の中、店舗の営業と流通の維持に社員総出で当たった。被災の中で整然と来店した顧客に感謝し、「ドラッグストアはライフライン」との使命感を新たにしたという。(鎌田大介)

  -震災による被害は。

  西郷 お休みは11店舗、行方不明と安否については残念だが正社員2人、パート2人の計4人の方の死亡が確認された。安否確認できないのはパート5人の方。陸前高田、山田、大槌などが被害がひどかった。

  -地震発生後の対応は。

  西郷 当日からの店、遅れて翌日から再開できた店がある。今までの地震の経験から被災すると水、停電による乾電池、子供用、大人用の紙おむつなどが必要とされるので、できるだけ店を開けようとした。停電が続く中、明るいうちは店を開けたし、外に並んでもらって社員が品物を持って応対したところがある。一部を開放して必要、緊急なものをできるだけ供給したところもある。助かったのは混乱がなかったこと。お客さまは順番にしっかり並ばれ、10人くらいずつ販売できた。石巻の店ではようやく開けたら長蛇の列で、日没になってもお客さまが切れず、翌日のための整理券を出しても文句ひとつ出ることなく、とてもありがたかった。

  -商品は社員が手配りで配送したのか。

  西郷 物流センターがあり、前日入った商品をいかに配るかとなって、社員が直接行った。物流センターも厳しい状況に置かれたが、社員が社用車に積めるだけ積み込んで運んだ。2時46分の地震のあとは近くの店に運び、翌日はガソリンをできるだけ入れ、行ける範囲の中で配った。その後はガソリン不足が起こり、3時間も並んで入れて被災地の店に商品を届けた。うちは流通センターの近くにあるので、センターの問屋さんにお願いしてこちらから取りに行き、食品中心に社用車に乗って配った。それが土日月と続き、火曜日からはトラック便で配った。

  -店舗の被害は。

  西郷 陸前高田、気仙沼の鹿折、南三陸の志津川の店はなくなった。構造物が残って再開できるのは8店舗あるが、よく調べる必要がある。

  -新年度の人事配置と再建に向けた方針は。

  西郷 11店舗の社員の働く場を確保しなければならない。沿岸部の大きな被害の所は家がなくなったことがあり、それを含めて人事の中で再配置した。新入社員はそれに合わせて配置し、いわば「ふるさと人事」で家族に配慮し、心のケアを含めて考えた。

  11店営業できないので、あとの119店舗でしっかり営業する。受けた損害を元の状況に戻すには、まだ流通が十分とは言えない。商品が入り、陳列してもとの状況に戻るにはメーカーの生産過程の問題と流通過程の問題があり、いつとは言えない状況だ。しかし物流は回復し、店の復旧作業は進んでいるので、4月上旬にはひとつの目途を付けたい。

  新規店舗10店についてはどういう優先順位で進めるか被害の状況と併せて考えていく。

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