盛岡タイムス Web News 2011年 4月 5日 (火)

       

■ 〈潮風宅配便〉28 草野悟 ともだち作戦展開中

     
   
     
  どこかで聞いたことがあるような「ともだち作戦」。そうですね、アメリカ軍が1万2000人も救援に送り込んでくれた作戦名です。でも寿司(すし)を握っているのは米軍の人ではありません。ともだちです。宮古のすし屋「うちだて」の夫婦です。

  このともだちが田老の常運寺のご住職。変な住職です。テレ屋で豪快で人情家でまっすぐな住職です。被災当日はお寺に入れないくらいの600人が殺到し、住職の毛布も家族の寝具もすべて出し、被災者の人たちが極寒の中、誰彼かまわずくっつきあって寝たそうです。

  3月30日には他の避難所に移動し70人くらいになっていました。ご遺体が見つかるたびに葬儀をし、住職のイケメン僧侶2人も手伝い、500人くらいの供養をしてきたそうです。お布施など一切受け取りません。「もらうわけねえべ」と一喝。坊主丸損?いやいや失礼いたしました。ここにも「岩手の力」感激です。

  この常運寺に三陸鉄道を勝手に応援する会で寿司の材料を調達し、会員でありすし屋であり、被災した「うちだて」の夫婦が出前すし店をお寺で開業しました。本堂の台所が臨時店舗です。米はともだちの高舘信雄君が、自慢の矢巾の徳丹米を持ち込んでくれました。

  漁業全滅で生ものがなくなっていましたので、会員の応援金とイオンさんからの無償提供でマグロやエビ、イカ、カツオなどを調達しました。なにしろ70人分を一人で握りますからもう戦場でした。でも被災者の方たちが「おいしい」と喜ぶ顔を見ますと、手伝いの会員も皆笑顔です。

  お一人7貫だけですが、下ごしらえの後約1時間で握った腕、見事なものでした。ありがとうございました。この出前寿司、会員の応援金が続く限り、三鉄宮古駅でほぼ毎日行います。
(岩手県中核観光コーディネーター)

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