盛岡タイムス Web News 2011年 4月 6日 (水)

       

■ 〈東日本大震災津波〉
    被災した子の心のケアをユニセフや県立大学が支援に

     
  ユニセフから提供された0〜6歳児のための「箱の中の幼稚園」キットで遊ぶ子どもたち=ふれあいランド岩手・盛岡市  
 
ユニセフから提供された0〜6歳児のための
「箱の中の幼稚園」キットで遊ぶ子どもたち
=ふれあいランド岩手・盛岡市
 
  避難所で暮らす子どもと保護者の心のケアが課題になっている。震災の恐怖や慣れない集団生活で、落ち着きがなくなったり、夜泣きがひどくなったりすることが、子どもには日常的に起こる。不安な心に気長に寄り添うことで自然に解決する場合が多いが、家族は周りに迷惑をかけまいと、きつくしかったり、過度に子どもの動きを気に掛けたりしてストレスをためがちだ。こうした子どもたちの心のケア、癒やしの場を作ろうとユニセフ(国連児童基金)や県立大も支援に乗り出した。
(馬場恵)

  ユニセフは、沿岸被災地域の避難所などで、遊びや読書を通して、子どもの心のケアを図る、癒やしの場「子どもにやさしい空間」作りを進めている。ボランティアが遊び相手になり、子どもたちがおもちゃや絵本で自由に遊べるスペースを提供。子どもを安心して預けられる場所を作ることで、生活再建などに忙しい子どもの家族に心のゆとりを持ってもらう狙いもある。

  震災支援のため来県しているユニセフハイチ事務所の井本直歩子教育担当官は「震災から3週間が過ぎ、親も子も疲労がたまっている。緊急を要する支援。避難所のニーズは日々、変わっていて保育所や幼稚園が開かれるようになれば、必要なくなるのかもしれないが、1週間でもニーズのある場所には支援したい」と話す。

  こうした活動に携わるボランティアを養成しようと4日、日本ユニセフ協会と県立大の主催でプレイセラピー学習会が開かれた。盛岡市の県立大アイーナキャンパスで開かれた学習会には県立大の学生や児童館の職員ら約30人が参加。日本プレイセラピー協会の湯野貴子代表と本田涼子理事から、遊びを通した子どもの心のケアや子どもに優しい空間を作るためのノウハウを学んだ。

  湯野さんらによると、避難生活の中で、子どもたちには「赤ちゃん返り」や過度に騒ぐ、わがままになる、元気がなくなる、お腹や頭が痛くなるといった様子もよく見られる。現段階では自然なことで、自由な遊びを通して気持ちを表現することが、心の自然治癒力を高め、PTSD(心的外傷後ストレス障害)を予防することにもつながるという。

  ▽遊んでいる子どもの表情をよく見る▽子どもが遊びで表現した気持ちを言葉にして言ってあげる▽子どもが自由に遊んでいるのに質問したり、教えたりしない▽そっと側にいてあげることだけが必要な子もいる-など、子どもと関わる場合にすべきこと、すべきでないことを具体的に説明。子どもに大きな影響を与える保護者に対しても「子どもの変化は当たり前。大丈夫ですよと安心感を与えることが大事」とアドバイスした。

  県立大社会福祉学部3年の佐々木歩美さん(20)は「授業でも子どもの発達心理について学んでいる。遊びを通して気持ちを表すことの大切さが分かった」、同学部3年の菊池春香さん(20)は「子どもに寄り沿うことで安心感が与えられるのであれば、できることから始めたい」と語った。

  県災害ボランティアセンターの運営を支援している県立大の山本克彦准教授は「ユニセフからツールの提供を受け、県立大や他大学の学生も巻き込んでボランティアの実働部隊として活動したい」としている。

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