盛岡タイムス Web News 2011年 4月 7日 (木)

       

■ 〈潮風宅配便〉30 草野悟 竹芳さんの優しいお心遣い

     
   
     
  3月12日、大震災の翌日、東安庭にある和菓子処「竹芳」さんに立ち寄りました。三陸鉄道の本社が機能しなくなり、ディーゼルカーを急きょ本部にし、不眠不休で損傷確認と社員の安否確認に追われているときです。

  まだ沿岸各地の被害全容が流れてきていないため、宮古駅前の大惨事の風景のみから「大変なことになった」と思うしかないときでした。私は運よく午後2時に宮古を離れ、やまびこ館で休憩をとろうとした時に地震になったもので、翌日しか戻れず、とにかく物資を三鉄に運ぼうとそれだけを考えていました。

  ライフラインが破壊されていましたので、水はもちろんラーメンやらドリンクやら、手に入るだけ車に積んで宮古へ向かいました。途中竹芳さんの横を通りましたので立ち寄った次第です。

  「すみません、何かお菓子は残ってますか」とお店を訪ねましたら、おかみさんが「すみません、きょうは休みました。電気が来ないもので」と丁寧なお返事。「そうですか」と帰ろうとしましたら、「これよかったら持って行ってください。これで全部で、これしか残ってなくて」と名物のどら焼きを箱に詰めてくれました。

  お金を払おうとしましたら、「どうぞどうぞ結構です」と受け取りません。「ありがとうございました。三陸鉄道の社員さんたちが徹夜で復旧しているものですから、甘いもので元気をと思ったもので。遠慮なくいただきます」「はい、盛岡は大丈夫ですからぜひ頑張ってください」と若おかみさんまで出てきてごあいさついただきました。

  甘くしかも素晴らしくおいしいどら焼きは、疲れた職員さんたちを笑顔にしてくれました。ほんとうにありがとうございました。ひとつだけ懺悔(ざんげ)があります。106号の途中、どうしてもお腹がすいて、箱から1個取り出し、食べてしまいました。反省です。
(岩手県中核観光コーディネーター)


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