盛岡タイムス Web News 2011年 4月 10日 (日)

       

■ 〈東日本大震災津波〉
   ボランティア活動本格化 大槌の個人宅で泥など撤去作業

     
  浸水した家財道具などを運び出すボランティア  
 
浸水した家財道具などを運び出すボランティア
 
  県災害ボランティアセンターが募集したボランティアによる東日本大震災津波の災害支援ボランティアが本格的に始まった。8日は県内をはじめ、秋田や青森、東京、京都などから参加したボランティア約70人がバス2台で大槌町に移動。家屋に残る泥や使えなくなった家財道具の撤去作業を行った。

  大槌町の桜木町地区は建物自体は残っているものの、多くの家庭で1b80aほど床上浸水した。若い世帯や人手が足りている世帯は、既に大部分の泥や家財道具を屋外に運び出している。川沿いの土手には海水や泥をかぶったテレビやストーブ、畳、タンスなどが積み上がっている。

  一方で、高齢者や独り暮らしの世帯で避難所生活を送る人たちは、家屋の整理にいまだ手をつけられない。地元の桜木町ボランティアセンターの佐々木順一さんによると「毎日10軒以上のニーズが来ている。一軒一軒が2、3日かかるので次々と要望がたまっている」と話す。

  今回の参加者は5人ずつのグループを作り、事前にボランティアの要請があった個人宅へ向かった。現場では各グループのリーダーが、要望があった作業内容を伝えながら役割分担して撤去や清掃を実施。必要なものや使えそうな家財を整理しながら、泥やがれきを取り除いた。

  盛岡市から参加した大槌町出身の佐々木佳奈子さん(22)は、高校まで過ごした地元の変わり果てた様子に「信じられない。何も言えない」と言葉に詰まる。地区には友達の家があり遊びに訪れたこともある。「私の実家は流されてなくなった。ここは家が残っているので写真など少しでも残せるものがあったら残したい」と、家屋に残った家財道具を整理した。

  京都府の前忠明さん(51)は「テレビなどで見ていたが、あまりにも生活感がなくびっくりした。その中で地元の方が一生懸命やっているのを見て力をもらう。こんな状態だと人がまだまだ必要。自分の周りにも呼び掛け、もっと物ではなく人を出したい」と話す。

  阪神大震災でボランティア経験がある前さんは震災直後から参加できるボランティアを探したが、電話やメールでの問い合わせでは返答が得られない状態が続いた。「県外の人でも行きたい人はたくさんいるが、窓口が見えなかった。阪神とは全然違い、人の手が少なすぎる。受け皿をもっと分かりやすくする必要がある」と、迅速なボランティア派遣の体制作りが必要と指摘した。

  ボランティアに手伝ってもらった柳田貞三さん(75)は先月20日ころから、近くに住む娘夫婦の手を借りながら家の中の片付けを始めた。「われわれだけでこれをやるとなると半年か1年かかる。ボランティアは本当に助かる。この家でもう一度生活したい。前を向いて頑張らなければ」と話した。

  県災害ボランティアセンターのボランティア派遣は9、10日にも実施され、既に各日80人の定員が埋まっている。今後は要望があれば継続して活動することも考えている。

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