盛岡タイムス Web News 2011年 4月 14日 (木)

       

■ 〈潮風宅配便〜三陸の津波被災現地から〉34 草野悟 盛岡から毎日応援

     
   
     
  盛岡でも数多くの方々が支援活動に取り組んでいます。こういう時こそ岩手の力が発揮されるのですね。

  この方は盛岡の大沢川原で旅館を営んでいる熊谷晴子さんです。いわて女将の会でも存在感のある方です。震災以来、自分の大事な洋服や、お友達に声をかけていろいろな物資を集めていただいています。「自分がいらないものは駄目。新しいものや自分が気に入っている服じゃないと迷惑なだけ」と声をかけてくれます。化粧品がほしいという情報があるとすぐに集めてくれます。

  個人物資は全国からたくさん集まり、善意の処理で県庁職員が忙殺され、一時麻痺(まひ)してしまったことがあります。それなので、こうした個人からのものは、できる限り「知っている人」「知り合いの居る避難所」「これがほしいという情報」などによって、しっかりとお届けすることが大事です。

  ある避難所では古着のフリーマーケット状態になっており、増えるだけで減っていきません。山のような量が避難所の一角を占めています。また避難所ではお互いに気を遣いますので、「自分だけいい思いをするのは」とちゅうちょします。だから遠慮することも多くあります。

  ニュースでは「下着がない」「歯ブラシが少ない」「子供服がない」とか連日報道されますが、「それじゃうちの子供の服を10着送りましょう」となっても、4万人の中の誰に送るのか、誰がそれを運ぶのか、大変な労力が発生してしまいます。

  熊谷晴子さんは、私たちの情報に合わせて集めてくれます。ですから「希望するところに希望するもの」が届けられます。そうしたチームを民間でたくさん作っていくのが「善意の無駄」をなくしていきます。

  ほっとするのは、春が来ることです。陸前高田にも水仙が咲きました。もうすぐ桜の季節です。春色は大きな「心のケア」になります。仮設住宅に入ったから安心じゃありません。「とりあえずの住む所」です。もう少し「岩手の力」を皆さんで出していきましょう。晴子おかみさん、笑顔はしっかりと届いていますよ。
(岩手県中核観光コーディネーター)

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