盛岡タイムス Web News 2011年 4月 14日 (木)

       

■ 〈東日本大震災津波〉児童の心のケアを 県教委がサポートチーム

     
  冨永良喜教授の指導で、心のケアの授業の進め方を学ぶスクールカウンセラーら=12日、盛岡市  
 
冨永良喜教授の指導で、心のケアの授業の進め方を学ぶ
スクールカウンセラーら=12日、盛岡市

 
  県教委は震災で心に傷を負った児童生徒のケアに力を入れるため、臨床心理士やスクールカウンセラーによる「こころのサポートチーム」を立ち上げ、学校現場の支援に乗り出した。阪神淡路大震災など国内外の大規模災害で心のケアに当たった兵庫教育大学大学院の冨永良喜教授(58)をスーパーバイズ(監督者)に招へい。サポートチームを中心に、県教委や総合教育センター、県精神保健福祉センターが連携して長期的に支援に当たる態勢を整えた。児童生徒の心身の状態を把握するための「こころの健康観察(ストレスアンケート)」の実施や教職員を対象にした継続的な研修会などに取り組む。

  こころのサポートチームは、現場経験の豊富な臨床心理士ら6人で構成。18日まで沿岸被災地域5会場で、教員向けのこうした研修会を開くほか、以後、継続して巡回相談や心をケアする授業のサポートなどに当たる。

  「こころの健康観察」は全児童生徒を対象に心身の状態を客観的に尋ねるアンケート。質問の仕方や回答のさせ方、アンケート後の心のケアなどを十分に検討した上で全県、統一した様式で実施する。児童生徒が進級したり、転校したりしても継続してサポートするために役立てていく。

  12日に盛岡市若園町の市総合福祉センターで開かれた研修会には、県内のスクールカウンセラーや市町村教委の担当者ら約200人が参加。冨永教授が震災でつらい体験をした児童生徒を受け入れる際のポイントについて講義した。

  冨永教授は、つらい体験をしたばかりの子どもたちが眠れなくなったり、「津波ごっこ」などこれまで見られなかったような過激な遊びで不安な気持ちを表現したりするのは自然なこと、と説明。「周りの大人の適切な関わりによって、そうした行動も収めることができる。正しい対応の仕方を知り、保護者にも伝えていってほしい」と呼び掛けた。

  災害発生からの時間経過によって、取り組むべき内容も変化する。学校生活が本格的に始まる被災から2カ月から半年のところでは、仲間づくりや上手な話の聴き方などを支援する「心のケアの授業」も求められるという。研修の中では、グループでの話し合いや2人組になって体の緊張をほぐす活動など、実際の授業を想定したワークショップも行われた。

  冨永教授は「長期間にわたる取り組みとなるが、子どもの示す反応の意味を正しく理解し、落ち着いて対応してほしい。安全、安心の絆を深めていくこと。対応する先生自身も大きなストレスを抱えており、グループを作るなどして互いにねぎらいながら、ペースの調整を図っていく必要がある」と話していた。

  震災に伴う児童生徒や保護者、学校関係者の電話相談窓口は「ふれあい電話(県総合教育センター)」電話0198-27-2331(午前9時から午後5時まで、平日のみ)へ。

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