盛岡タイムス Web News 2011年 4月 15日 (金)

       

■  〈東日本大震災津波〉
      滝沢村から山田町へ移動図書館車 満載図書に児童ら大喜び

     
  滝沢村から出張した移動図書館の本を選ぶ山田町の子どもたち  
 
滝沢村から出張した移動図書館の本を選ぶ
山田町の子どもたち
 
  滝沢村の移動図書館車「かっこう号」が14日、山田町の6カ所の避難所で出張貸し出しを行った。持ち込まれた本は一般図書から児童図書や絵本まで約3千冊。被災地では図書館の蔵書が流されたりする被害も発生しているため、同村では今後も毎週火曜日に各避難所で貸し出しを行う。

  約130人が避難生活を送る山田町立大沢小学校では、移動図書館の到着が知らされるとたくさんの児童が本を借りに来た。同校にも図書室はあるものの、新しい本や豊富な種類の中から本を選べるため児童は大喜び。久しぶりに本を読めることもあり、上限の5冊いっぱいを借りていく児童もいた。

  2冊の本を借りた鈴木彩菜さん(9)は「久しぶりに本を借りた。おもしろそうな本を選んだ。知らない本もいっぱいあって、車の図書館にも初めて乗った」とうれしそうだった。この春中学生になった大町智生君(12)は星野監督や松坂投手、イチロー選手などについて書かれた野球の本を借りた。「やっぱり今は山田の方の図書館は行けないし、本が来たのはうれしい。本を読んで野球がうまくなりたいし、人として星野監督に学ぶところがありそう」と話した。

  児童だけでなく、大人にとっても避難所での生活が長くなるにつれて本を読みたいという要望が出てきている。約470人が避難する山田高校では、訪れる人こそ少なかったものの滞在時間の30分間をかけてじっくり本選びをする避難者の姿が目立った。

  菊地由美子さん(48)は、避難所ではテレビや新聞はあるが本を読むのは震災後初めてだという。「家には自分で買って見ていた本が結構あったが、全部流されてしまった。きょうは本が来るということで楽しみにしていた。避難所ではじっとしているといろいろなことを考えてしまう。本を読んでいると本の世界に入れるし、気分もリラックスできる」と選んだ本を大切そうに抱えて戻った。


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