盛岡タイムス Web News 2011年 4月 18日 (月)

       

■ 〈不屈の意志〉平安商店・平野隆社長 「昔造り」で重油節約 

     
  平安商店4代目の平野隆社長  
 
平安商店4代目の平野隆社長
 
  盛岡市本町通の平安商店4代目の平野隆社長(62)は、今回の大震災を契機に仕入れの新たなルートを開拓。35%重油削減での製造を通じて本来の豆腐製造の必要性を痛感したという。大震災で受けた影響と今後の課題などを聞いた。

  -大震災直後の状況は。

  平野 震災翌日の12日夜に電気が複旧した。大豆や包装資材などの在庫はあったが、ボイラー用の重油は5日分しかなかった。13日夜から木綿豆腐1アイテムに絞り、数量限定により製造を開始した。14日から取引先の市内小売店に卸した。どの店も1時間たたずに完売した。これまで取り引きのない大手小売店などからも注文の問い合わせがあったが、数量限定なので従来からの取引先を最優先した。

  -その後、包装資材は確保できたか。

  平野 大豆はまだ足りたが、次第に資材は不足し始めた。入手先の資材メーカーが震災に遭い全滅したため入らない。豆腐ができても包装容器がなければ流通に乗せられない。大変な危機に遭遇した。従来のルート以外の開拓に奔走した。さまざまな人や情報に当たり愛知のメーカーを探し出した。そこから仕入れることができたため商品を随時、店頭に並べることができた。今も新たなルートとして確保している。

  -燃料は持ち応えたのか。

  平野 重油や配送用の車のためのガソリンの確保に奔走した。一番の気がかりが重油の確保。確保するまで手持ちの在庫を大事に使用するように決めた。実は重油が入り出した下旬までの期間、35%も節約しながら製造ができた。加熱殺菌をせず製造したから。造ればその日に出る。それが豆腐本来の製造。元々豆腐は日配用の食品だ。加熱すれば7日から10日は持つが。

  -店頭でも提供したようだが。

  平野 製造過程で形が崩れたりしたしスーパーでは出せないが、味は変わらない豆腐を提供した。出来立ての豆腐で大変喜ばれた。店頭では買いだめはなかった。むしろ他の客を気遣い、1人1丁で我慢した人もいた。盛岡人としてうれしい。

  -大震災から1か月が経過したが、今は。

  平野 製造も営業も従来通りに戻った。加熱殺菌なしの商品もあるが加熱殺菌した商品もありこちらも通常通り。消費ニーズに対応するのがメーカー。ただ地産地消の重要性を再認識した。

  -今後の課題は。

  平野 大豆や重油、資材などすべての価格が上がり出す。低価格で卸していたが価格改定せざるを得ない。消費者が日配用として豆腐を改めて考え消費行動してくれれば、燃料コストを削減して値上げを吸収できるのだが。


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