盛岡タイムス Web News 2011年 4月 20日 (水)

       

■ 〈不屈の意志〉
   兼平製麺・兼平賀章専務に聞く コンビニ用ラインが1カ月停止

     
  兼平製麺所の兼平賀章専務  
 
兼平製麺所の兼平賀章専務
 
  盛岡市川目の兼平製麺(兼平俊助社長)は、大震災発生から1カ月の間、コンビニ向け製品の製造停止に追い込まれた。兼平賀章専務(49)は「危機的な状況だった」と振り返る。ほぼ元の状態に戻りつつある現在、被災地の雇用の受け皿となる新たな事業も検討できるほどになった。どうやって危機を克服したのか。この1カ月の状況や今後の展開について聞いた。(大森不二夫)

  -今回の大震災での被害は。

  兼平 当社の売り上げのほぼ4割を占めるコンビニ向け商品が製造できず、コンビニ用ラインは1カ月止まってしまった。宮城県にあるコンビニの物流拠点が壊滅的な打撃を受けたためだ。入荷も配送もできない状態で、物流が寸断されて緊急事態に直面した。この1カ月、24時間営業のはずのコンビニに商品が入らなかったため、どの店舗も時間短縮した。端的にメーカー、物流の被害を示している。

  -その間、従業員はどうしていたのか。

  兼平 コンビニ用ラインに携わる従業員には仕方ないので自宅待機してもらった。130人の全従業員の半分ほどにもなった。この間、コンビニ向けの売り上げは当然ゼロになった。しかし、給与はどうにか支払った。今、雇用調整助成金を申請している。

  -在庫などは抱えていなかったのか。

  兼平 在庫を抱えず製造に必要な量だけを手当てする、いわゆるジャスト・イン・タイムで製造してきた。何も問題なく製造し出荷できた。在庫を持たないため、経営は効率化された。これからはどうか。ある程度のストックは必要だが大量の在庫を抱えるのは難しい。特に食品には賞味期限があるので。

  -今の状況は。

  兼平 12日から多くのコンビニで24時間に戻っている。しかし、物流はまだ回復していない。関東の物流センターからの配送なのでまだ配送回数は正常に戻っていない。当社が受注する商品の取り扱い品目は通常の半分以下の10品ほどに減少した。消費者の選択肢は減ったが生産効率は上がっている。

  -先行きはどうか。

  兼平 コンビニもスーパーも今年1年は品目を絞った販売となろう。ただスーパーでの売り上げは伸びている。消費者が外食をせず、家で食べる傾向が定着したようだ。減少する兆しはない。外食産業は大変だろう。

  -地域経済を活性化する策はあるか。

  兼平 経済を循環させる。内陸部の役割。自粛などとんでもない。これから総会などが開かれる。懇親会や2次会を多いにすべき。関連産業を支え沿岸部を支援するためにも。当社では秋に新分野の仕事を立ち上げる。今は内容を言えないが雇用もする。沿岸部の人も採用できれば。いずれ前向きに元気になることで経済を回さないと。


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