盛岡タイムス Web News 2011年 4月 21日 (木)

       

■ 〈不屈の意志〉三陸土建・木下紘社長に聞く 地元主導で・雇用創出を

     
  震災について語る木下社長  
 
震災について語る木下社長
 
  盛岡市の三陸土建の木下紘社長に、東日本大震災津波への建設業界の対応を聞いた。県建設業協会盛岡支部として宮古地区の復旧支援にあたり、自衛隊の捜索活動に協力している。三陸沿岸の復興に当たっては、地元業者主導による雇用の創出を提唱し、政府に対しては積極的な財政出動を求める。(鎌田大介)

  -震災の際の会社への影響は。

  木下 通常作業と事務をしていた。2時46分に停電し、信号が消えていたので、2次災害で交通事故を起こさないよう早めに帰宅させた。現場の社員は帰ってきたが、内陸だったので被害はなかった。

  -沿岸の被災者のため建設業協会盛岡支部の取り組みは。

  木下 盛岡支部として応援要請には、各支部単位で災害対応をすることになっている。宮古支部、岩泉支部が盛岡の応援区域。そちらからの要請に基づいて始め、そこに一本化しないと後で混乱の元になる。入札制度が昔のような指名でなく公募型。自由にやると業界も混乱を起こす元になるので、あちらの要請があって、こちらで責任を持って対応する。

  要請があったのは特殊な機械で、グリップルやチェーンソー付きのバックホウなど。主に解体屋さんが持っているはさみのようにつかむタイプ。普通のバケット付きのバックホウではなく、取り除く重機が必要なので、各社に連絡したが、なかなか持っている人がいなくて苦労した。

  -現場ではどのような作業をしているか。

  木下 やっているのは倒壊家屋や建造物の取り除き、遺体の捜索など自衛隊の手元で働いている。行方不明者を捜索しているので、バケットでは困るという。1社当たり3、4人、うちでは5、6人出している。

  あとは義援金を会員に広く募集してA級3万円、B級2万円、C級1万円で総額200万円出し、盛岡支部として対応した。わが社は社内でみんなの義援金を出した。

  -沿岸部の被害を見て。

  木下 海岸のところはかつてない災害でひどい。阪神大震災のように局地的ではなく、三陸沿岸から福島までだ。経済復興のためには政府がしっかりした予算措置を、建設国債でも多量に発行して、後世に借金が残ったと言っても直せば財産になるのだから。そのへんをきちんと対応してほしい。県も国の方針が決まらなければいつまでもどう進めるか決まらない。市町村も青写真ができない。あれを直すのは大変だ。大船渡、陸前高田、大槌、山田など壊滅だ。宮古は鍬ケ崎が一部壊滅だが、田老は町がない。

  -復興のため何が必要か。

  木下 一番必要なことは地元の復興であり、地元の人たちの就労の場が必要。今は職をなくしているので、事業は地元の建設業者を主体に、補助的にゼネコンに来てもらうように進めてほしい。でなければ、せっかく税収に結びつけるように復興費が付いても税金を納めるところの本社が東京では、岩手県の税収が上がらない。税収をばねに岩手の復興に寄与できるよう復興計画を作ってほしい。

  -地元にも技術力が求められる。

  木下 それも必要。地元の業者も技術的に向上しているが、なお上の技術の設計をすることがあるだろう。そのときはゼネコンが入るだろうが、ゼネコン単独でなく地元の業者と組んでジョイントで発注してもらうようお願いしたい。2、3社抱えてもらえるように。地元業者は、ただでさえ弱っている。沿岸部だけでなく内陸部も、公共工事が長く下降線の一途だった。

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