盛岡タイムス Web News 2011年 4月 22日 (金)

       

■ 〈不屈の意志〉平金商店・平野佳則社長に聞く 被災商店の復興を支援

     
  平金商店の平野佳則社長  
 
平金商店の平野佳則社長
 
  盛岡市肴町の平金商店(平野佳則社長)は、陸前高田市の山十(伊東孝会長)が経営する伊東文具店の復興を全面的に支援協力している。内陸部の地場企業が、沿岸部の地場企業を支援するという試みの一つ。15日には現地にプレハブの仮設店舗がオープンした。平金は、大震災を契機に新たな取り組みを模索し始めたという。平野佳則社長に復興支援のあり方や同社の今後の展開などを聞いた。(大森不二夫)

  -伊東文具店の復興支援の動機は。

  平野 当社の取引先で地域に根ざした文具店。宮古、大船渡にも地場の文具店はあるが、浸水しただけで建屋は無事だった。伊東文具店は店舗ごと流された。しかも、伊東会長は弟で社長の進さんをはじめ親族3人を失った。私はお悔やみなどで何度か現地を訪れ、伊東会長と話をした。50年続いた地場の店舗。3月下旬に再建したいがと言われた。当社でできることをしようと思った。

  -どんな支援を。

  平野 以前は海の近くだったが今回は高台。そこにプレハブの店舗を建てることから関わった。当社でできるだけの文具類を供給した。ただ商品やアイテム数は十分とは言えないが。それでも新学期用の商品はそろえた。

  -15日に無事再開したが。

  平野 家族連れなどが買物に来た。みんな待ちわびていた。好きな文具を楽しそうに選び買っていた。みな「よかった。よかった」と大変喜んでいた。スタッフも生き生きしていた。地域に根差した文具店の存在意義を再認識させられた。陸前高田市では大震災後、初の店舗の再開。大変意義がある。これから再開しようと考えている被災者の力にもなったと思う。

  -内陸部の企業の被災地支援と地域経済の活性化については。

  平野 被災地では地場企業や生産者が1社ずつ1人ずつ立ち上がろうとしている。陸前高田市では伊東文具店のほか、薬局も再開する動き。少しずつだが商店が形成されようとしている。内陸部の企業や生産者は現地の地場のニーズを把握し、商品や技術などで支援できよう。それにより内陸と沿岸がつながり、経済も動き、雇用の発生を生み出す可能性もある。沿岸部の商材を内陸部で消費する。岩手の食材は首都圏などで消費してもらう。

  -貴社の大震災での被害は。

  平野 物流機能のまひ、取引先の納入の中止、中三盛岡店のガス爆発などが絡み、営業は大幅にダウンした。売り上げは5割減ほどになろうか。3月下旬までは店舗の在庫も品薄になり、買いに来た市民には大変迷惑を掛けた。今は物流も復旧した。

  -今後の展開は。

  平野 大震災で当社のコンピューターが止まった。非常時でも作動するような状態が作れないか検討している。既に容量は少ないが自家発電を導入した。当社のコスト削減も含めた新たな取り組み自体をソフトとして提供できるよう考えている。大震災を契機に消費や暮らし方などが大きく変化している。これまでと違う動きが出よう。当社としてはその変化の方向をしっかり認識し新たな展開も検討している。


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