盛岡タイムス Web News 2011年 4月 24日 (日)

       

■ 〈不屈の意志〉岩鋳・岩清水社長に聞く 恐れるのは風評被害

     
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  盛岡市の岩鋳の岩清水晃社長に、東日本大震災津波に伴う鉄器業界の状況を聞いた。燃料不足による原料の入荷遅れのほか、福島原発の事故による放射能の風評被害を懸念している。南部鉄器は近年、輸出を伸ばしていただけに震災は痛手だ。欧州はとりわけ放射能に敏感な土地柄。風評被害をどう払拭していくのか、頭を悩ませる。 (鎌田大介)

 |3月11日の地震後の状況は。

  岩清水 工場が4日間停電し、4日後には復帰した。作業にはそれほど影響はなかった。一番影響があったのは原材料の入荷。銑鉄やコークスなど3月に入るべき物が入らなかった。新日鉄などを使っているので、千葉県の君津製鉄所から入る物や、仙台から入る物が銑鉄が流されたりして入荷しなくなり、入ってきたのが4月10日過ぎ。物流で一番の苦労だった。

  |工業製品に対する風評被害が出ている。

  岩清水 わたしたちが困って一番問題にして危惧しているのは風評被害。特にヨーロッパではとても気にしているようだ。米国も。ただわたしたちにも回答できない。どこまで言っていいものか、日本全体での問題。工業製品なので、わたしたちだけ結果を出して調べても、国の基準でやらなければならないことだし、相手方も信用することはできないだろう。

  ただあまりこちらから先だって結論を出しても、風評を大きくすることになるかもしれない。一刻も早く、政府の方で仮に基準が出たらそれに沿ってやってもらうのが一番いいのではないか。

  最初は外国からの風評は大丈夫か、物ができるかとかいう心配の連絡があった。それが解決したら、今になって原子力の風評が来ている。実際には何の問題もない。うちも商社が入っているので、うちの売り先に大丈夫と言ったとしても、相手の政府がだめだと言えばどうにもならない。そのへんがうちとしても分からないで苦労している。

  こちら以上にあちらの人には大げさな情報になっているのではないか。米国は軍がかなり入って手伝って日本の現場の情報を持っていると思う。放射能がそれほど危ないなら米国も日本にここまで人をよこさない。実際を知ってもらい良かったのではないか。

  その点、ヨーロッパではなかなか分からないで、お客さんから問い合わせが来る。本当に早く解決してもらいたい。

  |沿岸の人たちのために何をすべきか。

  岩清水 家を建ててほしいというのもあるが、漁業の人が多いので船が早くほしいと言っている。船という機械がなければ何もできないのだから、何とかしてやり、仕事にすぐ入れるようやってほしい。やはり働ける環境を作って。終わったことは仕方ないが、船さえあれば働けると言っている。復興はやはり現地の声を聞いてスピーディーに行政なり政府がやるのが一番大切だ。やはり1日も早くやらないとかわいそうだし。仮設住宅を早く建ててやって、ある程度の安心感を与えていくのが一番いい。

  |復興のために何が必要か。

  岩清水 漁業のためには船がほしいと言っているので、早く仕事できるような形にしてやるのが一番ではないか。災害を受けた人が頼るのは政府であり県政。早く政府にやってもらいたい。金融にしろ税金にしろ、その他もろもろ良い制度を作り再起できるように。

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