盛岡タイムス Web News 2011年 4月 26日 (火)

       

■ 〈潮風宅配便〉30 草野悟 持つべきは友人なり

     
   
     
  この方はと言いますと、普代村の深渡宏村長さんです。朴訥(ぼくとつ)で、ゆったりとした口調で優しく語ります。ただ意味の30%くらいは不明です(笑)。すみません。

  「あのなっす、昭和59年になっす、普代水門が完成してなっす、そのときの村長さんは偉大な人だったのす。おかげで村は守られました。ただ大きな損害を出しているので、漁師の皆さんに苦労をかけているのでなす、なんとか、少しでも早く回復させたいのす」と分かりやすく言えば、こんな感じですか。

  深渡村長さんは本来4月で勇退でした。この震災で9月まで延長になりました。「わだしのごどはいいので、村が元通りになるまで何でもやります」と力強いお言葉です。ご高齢(失礼)ながらまっすぐ前を向いて取り組んでいます。

     
   
     
  この水門の完成を祝い、普代音頭「俺の北緯40度」という歌が、鳥羽一郎の歌で披露されました。深渡村長さんの十八番です。いい声ですよ。

  ご友人に矢巾町の川村町長さんがいます。「大変なご支援を頂いて…」と川村町長さん、矢巾町の方に心から感謝しています。「船を寄付してくれるんだそうです」とうれしそうに何度も話します。矢巾町が普代の漁師の方々にサッパ船を贈る計画だそうです。内陸部と沿岸部の友情関係、すてきですね。

  震災の地域を歩きますと、宮古にはすぐさま雫石の救援車が駆けつけました。田老から国道を北上市の消防車が「火災に気をつけて」とチンチン音を鳴らし走っています。八幡平市や花巻、岩手町の救援車も目立ちます。滝沢村ではすぐさま県の物資センターに職員を派遣しました。あまり伝えられない活動ですが沿岸の人たちはとても感謝しています。

  また被災した方々も内陸の温泉地へお世話になっています。もちろん県外各地から炊き出しやがれき撤去などたくさんの応援を頂いています。東北人の「お互い様」の精神は、偉い方々のパフォーマンスとは一味異なり、地道に息づいています。何も見返りを求めない「小さな力」かも知れませんが、どうしてどうして「大きな力」です。ずっと続くことを願っています。
(岩手県中核観光コーディネーター)

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