盛岡タイムス Web News 2011年 4月 29日 (金)

       

■ 〈東日本大震災〉消防署員が休日利用し体力奉仕 野田村で泥を取り除く

     
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  野田村でボランティア活動を行う盛岡地区広域消防組合管内の消防署員  
  盛岡地区広域消防組合消防本部では消防署員が休日を利用して被災地でのボランティア活動を行っている。26日は野田村でのボランティアに管内の各消防署や出張所から消防署員19人が参加した。困っている人の力になるのは消防の活動もボランティアも一緒。日ごろ鍛えている体力とチームワークを生かして次々と作業を進めていった。

 署員が派遣されたのは野田村大字野田で洋服や寝具などを扱う総合衣料品店「中伊商店」。3階建ての建物は1階の1・6bほどが浸水し、流出した家屋の残がいなどが窓ガラスを破って建物に流れ込んだ。

  店主の中野浩和さん(51)によると制服なども扱う同店は、学校の入学式を控えて引き渡し間近だった商品のほとんどが流された。中野さんは震災後、お客さんを1軒1軒訪ねて採寸し直す作業に追われ、片付けは70代の両親に任せるしかなかった。

  中野さんの母親の澄子さん(75)は「皆さんのおかげでいろいろな物を片付けていただき、頭が下がる。自分たちだけではどうにもならなかった」と話す。多くのボランティアの協力でようやく店内はだいぶ片付いてきた。

  この日のボランティアは店舗脇の側溝に貯まった泥のかき出しや泥をかぶった大量の衣類や寝具を片づける作業。参加者はコンクリート製のふたを軽々と持ち上げ、手際よく泥を運び出した。布団などの寝具も倉庫に移す作業や泥をかぶったハンガーなどを洗う細かい作業も丁寧に行った。

  中野さんは「知識はあるし、力はあるし、一気にやってもらい、ただただすごいの一言。こういうことをしてくださる方は人の痛みも分かってくれ、すごくやさしい人ばかり。きょうはそれを改めて感じた」と感謝した。

  ボランティアに参加した八幡平消防署松尾出張所の佐々木友和さん(28)は、3月下旬に野田村で行方不明者の捜索活動に従事した。目の前でがれきの撤去や泥を運ぶ住民を前に少しでも力になりたいと思ったという。「一日でも早く被災された方が普段通りの生活ができるようにと思った。大きく力になれることは難しいが、小さいことでも一つずつやっていくことで力になれるのでは」とボランティアに精を出した。

  指揮を執った盛岡西消防署の岩泉優彦救急救助係長(52)は「現場を見れば本当に悲惨な状況。住んでいる人たちが困ってる。内陸は被害がなかったので、我々も休みを利用して少しでも役に立ちたい」と話した。

  盛岡地区広域消防組合では18日から5月8日まで、宮古市と野田村で署員延べ232人がボランティア活動に従事する。

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