盛岡タイムス Web News 2011年 4月 30日 (土)

       

■ 〈不屈の意志〉信幸プロテック・村松幸雄社長に聞く 故障を想定して部品調達

     
  震災後の対応を語る村松社長  
 
震災後の対応を語る村松社長
 
  矢巾町の冷凍空調設備の信幸プロテックの村松幸雄社長に、東日本大震災津波後の対応と、製造業の電力事情について聞いた。3月11日の地震後は停電による給湯器の故障修理に追われ、電話の不通の中でユーザーのニーズを予測しながら動いた。村松社長は県中小企業家同友会代表理事でもある。被災地の業者が主導し、内陸や大手の業者がサポートする形での復興を求める。
(鎌田大介)

  -震災後の状況は。

  村松 ほとんど電話で営業しているので、電話の不通で依頼がまったく来なくなったのは困った。個人的にサービスマンの電話に掛かかってくるのはあったが。携帯電話から逆にお客さんに心配して掛けたが当日、翌日あたりまではそれも不通だった。3日目あたりから気になって電話をかけた。

  お客さんの情報を知っている担当のサービスマンは、こんなに寒いのに停電していたら給湯器がパンクしたはずだと。案の定電気が復旧してパンクして水が増えているなど、たくさんの修理依頼が殺到した。停電して連絡が取れないうちにも想定できた。お客さんごとにどの部分が壊れるか想定でき、あらかじめ開いている所から材料を買って歩いた。3日目には物を集めた、一番早かったのは翌日集めた。停電が回復したときの想定が見事に当たった。メーカーからも依頼があり大変な忙しさだった。燃料がなかったが、社の車の8割は軽油でトラクターや除雪機の中からも抜き取って給油した。

  -三陸沿岸のため、復興のためできることは。

  村松 一刻も早く地元企業が小さな立ち上がりをしないと人がいなくなってしまう。ここから出て、どこかに仮の就職でもしたら帰ってこなくなる。全員ではないが帰ってこなくなる可能性が高い。ただでさえ人口減少の市町村で、高田ばかりでなく岩手全部が限界集落に近づいているので、早く立ち上げないと。

  人は期限があるから我慢できる。いつまでもではもたない。大きな企業なら時間がかかるが、小さな芽なら明日にもできる。例えば小さなプレハブの商店街、売るばかりでなくサービスをするところ、電気や修理などさまざまな業種があるが、同じ屋根の下にいる小さな屯所、番屋、事務所、売り場が必要だ。

     
  矢巾町広宮沢の信幸プロテック  
 
矢巾町広宮沢の信幸プロテック
 
  仮住まいも大切だが働く場所がないことも心配。働く場所を早く作ってあげるよう、小さな企業の芽を早く出したい。外部から多くの人たちが応援に来ることはありがたいが、外部の人だけの場になって、地元の人たちは将来まで人夫になってしまうのではないか。外部からは応援で、元請けは地元企業になってほしい。外部からは能力的に足りないところを補ってくれるように。大きなスキルを持った業者が入るのはありがたいが、地元の企業を人夫として使わず上に持ち上げてほしい。B級やC級までは上に持ち上げ頭として入れて育ててほしい。そういうことを私たち内陸の業者も意識して入らねばならない。冷凍空調設備業界も大きい冷蔵庫を立ち上げが出てくる。まず地元企業を生かし、その下に入って彼らを支える。これからいろんな事業が起きるが、主役は沿岸の事業所。わたしたちは脇役や支援の役に回るべき。行政もそれを主眼にしてほしい。

  -今年は電力事情が逼迫する。

  村松 去年は1480万`hをピークで使っている。震災前は同じくらいを見込んでいたが、現時点では1380か1300くらい。火力発電所と小さい水力発電所を含めて、1210しか余裕がない。ずっとフルパワーでは火力はオーバーヒートするから、せいぜい1100万しか使えないだろう。すると380から400万`h不足する、少しでも負けたら全停電する。全停電しないためには1100万まで落とそうというのが25%削減につながっている。

  お客さんのところで生産を落とさずに達成しようというのは難しいが、場合によっては生産を落さずできないか。電気、水、空気の流れの中で25%削減できないかがわたしたちの今年の使命だ。企業から言われて具体的にやる方法を提案しているのがあるし、電気を最小限の使用で冷やす方法などを提案できる。

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