盛岡タイムス Web News 2011年 5月 3日 (火)

       

■ 文化の復興も大切 文化人ら支援ネット設立へ懇談会

 被災地の文化支援・文化復興にかかる懇談会が1日、盛岡市肴町のいわてアートサポートセンターで開かれた。いわて文化支援ネットワークの設立について説明され、東日本大震災津波後の地域文化の復興支援について話し合った。内閣官房参与で劇作家の平田オリザ氏が文化行政のあり方について説明し、中央と地方の連携による復興を唱えた。

 懇談会には県内外の文化団体などから約40人が参加。ネットワークの瀬川君雄代表が「震災後、文化、産業、被災者の生活が非常に改善しているということはなく、3年ほどはかかる戦いになるかもしれない。われわれの力のあるところで、文化支援の状況を確立していかねばならない。アート支援のネットワークをつくりたい」とあいさつした。

  被災地の宮古市出身で、田園室内合奏団指揮者の寺崎巌さんは「各地のホールが相当だめになっていて、出身地の音楽教育の活動がストップしている。吹奏楽も一部、活動を休止し地元では音楽どころではない状況がある」と述べ、活動環境の再建を求めた。

  平田氏は「被災地の3県にこれから何十兆円の公的資金が入ることで、自立性が損なわれるかもしれない。大人は生活のため致し方ないが、子どもたちまで補助金漬けになることは避けなければならない。東京資本が文化的に進出してくれば、全部お金が吸い取られる。モルヒネは必要としても、地域の自立再生のためには文化の自己決定力が必要だし、復興のためには焼け跡の闇市的なバイタリティーも必要だ」と話した。

  平田氏は被災地のボランティア活動を求めるアーティストと、受け入れを希望する被災地をつなぐアート・ボランティア・ネットワークについて紹介し、いわて文化支援ネットワークと連携するという。

  ネットワークはいわてアートサポートセンター理事長の瀬川氏を代表に、県内の各種団体やNPOのほか県、文化振興事業団などと協力し、寄付金や助成金などを資金に、各種の文化支援ボランティア活動をサポートする。具体的には3・11絵本プロジェクトいわてへの参加、文化復興イベントなど。

  瀬川代表は、「震災を機会に継承するもの、継承しないもの、日常に戻すものと戻さないものを考えて活動していきたい」と話した。

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