盛岡タイムス Web News 2011年 5月 3日 (火)

       

■ 〈夜空に夢見る星めぐり〉280 八木淳一郎 星に親しむ

     
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   5月の星空。からす座のへそを曲げたような四角形は簡単に見つけられる。そのすぐ上にある明るい1等星がスピカなのでおとめ座も容易に見つかる。なかなかにぎやかだ。(矢巾町の西部開拓道路近くで)
 
  星座を覚えるのが苦手、という方は多いと思われます。別に覚えなくても困ることはないし、覚えなくてもいい、とお思いの方もこれまた多いことでしょう。ですが、ふと夜空を見上げたとき、そこに知っている星座や星があると、同じ見るのでも、一層楽しくなることうけあいです。道端や原っぱや山で、知っている草花に出会った気分で、あるいは旅先や久しぶりに里帰りした町などで、なじみの星たちに出会うことで心が安らぐに違いありません。

  さて、星座を覚える手順として最も親しみやすいのは、例の夏の大三角や冬の大三角など、明るい有名な星をつないでいく方法です。そこで今の季節はと言いますと、夏や冬よりもいろいろなバージョンがあって、一つは春の大曲線、二つめは春の大三角、もう一つ、春のダイヤモンドと呼ばれるものです。

  春の大曲線とは、ご存じ北斗七星のひしゃくの柄のカーブを利用したものです。このカーブなりに先に延ばしていくと、明るい星にぶつかります。これはうしかい座のアルクトウルスというオレンジ色の星です。さらにこのカーブを延ばしてみましょう。すると今度は、やや白っぽい色でアルクトウルスより暗めの星に行き当たります。おとめ座の1等星のスピカです。

  和名の真珠星にふさわしい上品な輝きです。アルクトウルスとスピカの二つは少し離れているのですが、夫婦(めおと)星の名があります。続いてカーブを先に延ばしてみましょう。このあたりには明るい目立つ星はありません。しかも、だいぶ低い位置となって建物の陰になったり、街明かりやモヤなどで見ずらくなってしまいますが、目を凝らして見てみましょう。

  すると、4つの星が台形の形を作っているのを発見できるかもしれません。ここはからす座という星座ですが、闇夜のカラスというだけあって確かに見つけにくい星座です。このからす座の真下、すなわち地平線の下にあの南十字星があるのです。そう言われると、なんとしてもからす座を捜してみたくなりませんか。

  さて、春の星や星座の目当てのもう一つは春の大三角です。これはうしかい座のアルクトウルスとおとめ座のスピカ、そしてしし座の2等星のデネボラという星を結んだものです。デネボラはしし(ライオン)のしっぽの星です。これにもう一つ、北斗七星のひしゃくの柄の近くにある星座、りょうけん座の主星で2等星のコル・カロリという星を加えますと菱形の並びとなって、これを春のダイヤモンドと呼んでいます。

  目の前に広がる世界の半分は天空であり、一日の半分はそこに星々の光が散りばめられています。星や星座になじむことで、世界を広げてみてはいかがでしょう。

(盛岡天文同好会会員)

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