盛岡タイムス Web News 2011年 5月 3日 (火)

       

■ 〈イタリアンチロルの昼下がり〉121 及川彩子 春に舞うスケーター

     
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  「ヨーロッパの春は突然やって来る」と昔から言われている通り、ここアジアゴ高原も山の雪が消えたかと思うと、金鳳花や勿忘(わすれな)草の色鮮やかな風景に早変わりしました。

  秋に新学期が始まるイタリアでは、春が年度末。この後、夏のバカンスが始まる6月初めまで、進級試験などの学校行事だけでなく、バレエ教室や音楽教室の発表会も、この時期に集中し、子どもたちも大忙しです。

  2010年度のウインタースポーツを締めくくるアイスホッケー・イタリアチャンピオン大会も、先月、アジアゴのスケートスタジアムで開かれ、地元アジアゴチームが見事優勝して盛り上がりました。

  また先日は、フィギュアスケート教室の発表会があり、出場する近所の子どもたちに誘われ、私たち家族も応援に駆けつけました。

  フィギュアスケートは、町ぐるみで力を入れているスポーツの一つで、スタジオは常時市民に開放され、指導者はミラノから招いた専門コーチ。1時間千円程の受講料で、レベルアップを図っているのです。

  中には、毎日5、6時間も指導を受ける選手も少なくありません。10年度の男子シングル・イタリアチャンピオンになった17歳のフィリッポ選手もその一人。狙いは次のオリンピックとか。先のトリノ・オリンピックで、スピードスケートの金メダリストになった地元の「エンリコ選手に続け」と、スポンサーが付いている有望選手です。

  発表会では、フィリッポ君を筆頭に、かわいいスケーターたちが軽々と舞い滑り、まるで春の躍動を見るようでした〔写真〕。

  町の期待を背負うフィリッポ君たちは、夏も氷の上。試練は続きますが「僕らの特権は、ローラースケートで、夏のアジアゴの街中を走れること。それが最高だよ」と、プレッシャーなどどこ吹く風。

  アルプスの空のように、清々しい若者たちの姿で、町も元気になっていくのです。

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